特集

「コロナ不況」で、メガソーラー事業への資金供給が細る?(page 4)

<第28回>感染防止対策が再エネ産業に与える影響

2020/04/28 10:50
大串卓矢=スマートエナジー社長
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金融機関に「貸し渋り」も

 金融機関は、市場から資金を調達し、企業などへの貸し出しにより、資金を供給している。このとき、金融機関は格付けにより、調達コストが変わるため、格付けの判断材料となる指標には一般の企業より敏感である。

 企業の設備投資が伸びず、貸出額が増えない、イコール売上高が増えない場合には、ROAやROEの悪化を避けるために、貸出額を減少させるケースが多い。同時に、不況時は貸出先の経営状態が悪化し、不良債権の増加、貸倒引当金の積み増しなどで、金融機関自身の経営体力が悪化する。

 そこから予想されるのは、新規の大型案件への融資が厳しくなるかもしれないというリスクである。貸出態度の推移グラフを読むと、リーマンショック時にマイナスとなった貸出態度であるが、それ以降は2020年までずっとプラスであった。不動産に加えて、メガソーラーへ積極的に融資し、貸出額を大きく伸ばせた金融機関も多かった。

 しかし、ここへ来て、一部の金融機関では前向きな融資はNGとなってきていると言う。多くの社員が自宅待機、勤務となり、事務処理能力も落ちているなかで、中小企業からの緊急融資依頼が多く寄せられているためだ。しかも、今後は自己資本比率の確保のために、貸出債権をあまり増やさないという方針を打ち出してくる可能性もある。どちらにしても、金余り状態の昨年度までとは、金融情勢は大きく変化しそうだ。

 メガソーラーへの融資も昨年度までのようにはいかないだろう。体力がかつかつとなった金融機関のなかには、もう太陽光発電プロジェクトには融資をしないというところも現れるかもしれない(図5)。

図5●金融機関の貸出態度の推移
(出所:日本銀行資料「短観」)
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