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高まる再エネニーズ、「FIP太陽光」の環境価値に期待

<第30回>「アフターコロナ」に備え、再エネの方向性を再確認

2020/06/25 05:00
大串卓矢=スマートエナジー社長
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 新型コロナウイルスに関する緊急事態宣言解除から1月がたち、やっと経済活動も再開の動きが見られるようになった。パンデミック(世界的な流行)という異常事態での思考停止からやっと立ち直ったというビジネスパーソンも多いのではないだろうか。

 今回は、頭をリフレッシュする意味で、2020年度以降の再生可能エネルギービジネスの潮流に影響を与えそうなイベントを、改めてまとめてみた。

COP26が来年に延期

 2020年11月に英国グラスゴーにて開催される予定であった、第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)が、2021年11月まで延期されることが決定した。

 COPは毎年、政府関係者、NPO(非営利組織)、企業人、マスコミ関係者など世界中から数万人が参加する大イベントである。万が一クラスターとなった場合には、世界中にウィルスがばらまかれてしまうため、慎重な判断がされた。しかし、気候変動枠組み条約のエスピノサ事務局長は「(新型コロナは)人類が直面する緊急の脅威だが、最も大きな脅威は気候変動であることを忘れてはならない」と表明した。

 今回のCOPは、排出量取引のルールをどのように決めるのかが最大の焦点である。排出量取引により、再生可能エネルギーによるCO2削減価値が国際的に取引される。これにより、固定価格買取(FIT)など再エネを促進するような制度がない国においても、再エネ導入が促進されることが期待されている。

 しかし、11月の米大統領選挙において、トランプ大統領が勝利すれば、米国は予定通りパリ協定を離脱する。一方でバイデン前副大統領が勝てば米国がパリ協定に復帰するかもしれない。オバマ大統領と習近平総書記で合意した温暖化防止の約束が復活するのか、米大統領選の結果によって、気候変動対策を巡る国際的な枠組みは大きな影響を受ける。

 2020年にはCOPが開催されないので、排出量取引スキームを活用した海外での再エネプロジェクトの進捗は、停滞することが予想される。ベトナムや台湾などで太陽光や風力発電を計画する事業者も増えているが、海外再エネプロジェクトはその国でのFITを活用した案件に限られることになる(図1)。

図1●パリ協定で各国の掲げた温室効果ガス削減目標
(出所:経済産業省資料)
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