固定価格買取制度(FIT)が始まって8年が経ち、売電単価40円/kWhや36円/kWhの案件では、設備更新を検討する機会も増えてきた。2020年6月に「エネルギー供給強靱化法」が成立し、廃棄費用の外部積立が規定されるなど、世の中がFIT後の世界に注目し始めている。太陽光発電設備も建物のリノベーションのように、既存の設備の改良投資を行い、新しい発電所として再生させる動きも見られるようになった。今回は、この動きについて解説する。
リパワリングで出力アップ
リパワリングは、耐久年数を過ぎたような古い設備を更新し、新技術で出力を増強することである。従来、火力発電所や水力発電所などで、実施されてきた。太陽光発電設備も10年経つパワーコンディショナー(PCS)のオーバーホールを機会に、リパワリングを計画するケースも出てきた。
リパワリングは、技術革新がある場合に、既存パーツを最新式のものに交換することで、効率性を高めるケース、出力アップを狙うケースなどがある。
例えば、水力発電などは戦前から使用されてきたものを、リパワリングで蘇えらせ、出力を高めるようなケースもある(図1)。
太陽光発電では、今のところ、土木工事を伴うような大規模なリパワリングはあまり聞かないが、太陽光パネルやPCSを最新の設備に交代させることで、出力アップを狙う場合が多い。