特集

太陽光「リパワリング」の可能性、出来ること、出来ないこと(page 2)

技術革新と関連制度を睨みつつ、設備更新で発電量アップ

2020/10/28 05:00
大串卓矢=スマートエナジー社長
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メガソーラーはパワコン更新も

 PCSは、半導体製品のため、7~10年で基板を交換することがメンテナンス計画上、予定されている。コンデンサー製品の寿命はそれほど長くないため、コンピューター基板自体が駄目になってしまうケースが見られる。それに合わせて、PCSを、新しい設計思想のもと、異なる製品に交換してしまうことで効率性を高める。いずれもメガソーラーが前提であるが、例として、(1)空調レスタイプのPCSに交換して、電気の自家消費量を節約しようというもの。(2)大型のPCSから、小型分散型PCSへ交換し、影の影響を低めて有効稼働率をあげようというもの。(3)力率を考慮して、より高出力のPCSへ変更するものがある。

 PCSには、空調設備を必要とするタイプと、空調の不要のエアコンレスタイプがある。PCSはコンピューターと同じように熱暴走を防ぐ目的から、温度一定以下で運転させる必要がある。よって、多くはエンクロージャー内にPCS本体を納め、エアコンを同時に設置することが必要とされた。

 しかし、最近のPCSは、強制送風機を備え、エアコンレスで動くタイプのものも見られるようになった。これにより、自家消費電力を削減でき、売電量が増えることが期待される(図2)。

図2●エアコンレスタイプのPCSの設置例。東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製2.5MW機
(出所:日経BP)
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 ただ、最近では、夏の気温が異常に高く、それで故障しないか、耐久性はどうかという心配も出てきた。

 また、PCSには出力規模により、大容量の集中(セントラル)タイプと、小型分散タイプがある。小型分散タイプのPCSに変えるメリットは、過積載パネルと合わせることで、朝、夕の日照が少ない時の出力を高められること。影の影響が大きい発電所で、その影響を受けにくいストリング設計を採用可能であることである。

 それにより、大型PCSと比較して変換効率が敵わなくても、システム全体では、より高出力なものに生まれ変わることが可能である。ただ、小型PCSは、当社メンテナンスメンバーの間では、良く壊れると嫌われている。それでも、壊れてもすぐに交換復旧が可能ならば利点の1つとも言える。

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