特集

太陽光「リパワリング」の可能性、出来ること、出来ないこと(page 3)

技術革新と関連制度を睨みつつ、設備更新で発電量アップ

2020/10/28 05:00
大串卓矢=スマートエナジー社長
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有効電力の出力を上げられることも

 こうしたPCSタイプの変更ではなく、定格出力自体を上げられるケースもある。

 配電網の電圧を一定内に保つために、系統連系の取り決めで、一定の無効電力を含めて出力が要請されている場合が多い。このとき、無効電力と有効電力の比率はそのままに、有効電力の出力を上げることが可能なケースがある。この時は、PCSの定格出力がより大きいタイプに更新し、無効電力の出力を保ちつつ、有効電力の出力を増やすことが可能となる。

「力率」の理解は欠かせない

 PCSに関するリパワリングには、パワーファクター(力率)の正しい理解が欠かせない。現在では、太陽光発電設備が増えたため、配電線などの系統電圧が高くなりすぎるのを防ぐ目的で、力率調整運転が要請されるケースが一般的である。

 例えば、低圧発電所に要求される95%の力率制御運転では、5%の無効電力と95%の有効電力の比率で電力を出力する。そのとき、売電収入は以前の95%となるのだろうか。確かに、ピーク時には95%になるが、それ以下の時は、影響がない。最高出力付近では、出力が足りなくなってしまうからだ。PCSの定格出力値は、あくまでも皮相電力値であるため、それが一部無効電力の出力に取られてしまうのである(図3)。

図3●有効電力出力とパワーコンディショナー出力の関係
(出所:筆者)
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