特集

太陽光「リパワリング」の可能性、出来ること、出来ないこと(page 4)

技術革新と関連制度を睨みつつ、設備更新で発電量アップ

2020/10/28 05:00
大串卓矢=スマートエナジー社長
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パネルの更新はFIT期間後

 太陽光パネルは、発電効率(変換効率)の改善が著しい。8年前は1枚210~230W程度であった太陽光パネルの定格出力は、今や400W以上となっている。また、単結晶タイプがほとんどであり、多結晶タイプはほぼみられなくなった。FIT単価が下がり、同じ面積でもより高い出力が求められるようになり、発電効率を求めるニーズが強くなったためである。30年以上の実績があり、耐久性の高さが証明されている多結晶パネルはあまり使用されなくなった。市場が高出力を求めている証拠である。しかし、単結晶パネルの耐久性を不安視する意見もある。

 FIT制度では、太陽光パネルの定格出力を上げる増設は認められていない。過積載が流行ったことから、それを禁じる措置を経済産業省が行ったためである。したがって、太陽光パネルの更新が本格的に行われるのは、FIT後になるだろう(図4)。

図4●太陽光パネルの張り替えはFIT期間後になりそうだ
(出所:日経BP)
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廃棄費用積み立て制度への対応

 廃棄費用の積立制度案の詳細が明らかになってきたが、リパワリングは積立金を利用可能だ。廃棄費用の強制積み立ては太陽光FIT事業者のすべてが適用され、最後の10年間に源泉徴収的に売電収入から天引きされる。積立金額は、パネルの容量(kW)やパワコンの容量(kW)に比例するのではなく、売電量(kWh)に応じて徴収される。

 適切に管理運営している発電事業者にとっては、資金効率が下がるため、工夫したいところだ。しかし、内部積み立ての認定を取ったとしても、積み立てについては厳格であり、あまり資金効率が上がるとは思えない。むしろ、リパワリングと組み合わせて、積立金の取り崩しを上手く活用すべきであろう。「調達期間終了後は、事業終了・縮小のほか、パネルを交換して事業継続する際にも取戻しを認める」ようだ(図5)。

図5●廃棄費用の積み立て制度の方向性
(出所:経済産業省審議会・資料)
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