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どうなる⁉ 太陽光発電への「発電側基本料金」の影響

経産省が制度設計に着手、「150円/kW・月」の行方は?

2020/12/23 00:00
大串卓矢=スマートエナジー社長
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 COVID-19(新型コロナウイルス)による社会的混乱もあり検討が止まっていた「発電側基本料金」について、経済産業省の有識者会議による検討がようやく始まった。

 2020年12月15日、電力・ガス取引監視委員会の制度設計専門会合が開催され、太陽光発電協会(JPEA)などの団体が意見を表明した。発電側基本料金として、「150円/kW・月」という数値が昨年度に示されたが、それも含めて制度全体の見直しが開始された。今年度中に制度を決定し、早期に運用を開始することを意図しているのかもしれない。

なぜ、「発電側」にも課金?

 「発電側基本料金」は、電力の託送料金制度の改正の必要性に伴って出てきた論点である。現在の制度では、「電力の需要者(消費者)が受益者である」という考え方に基づき、電力小売事業者が託送料金を全額負担し、それを電力需要者に転嫁している。

 旧一般電気事業者は、託送料金を含めた電力料金を電力需要者から徴収し、それを送配電の建設や管理コストに充てていた。大型の火力発電所や原子力発電所と、大都市を結ぶ送電設備に多額の設備投資を必要としていたからだ。

 しかし、太陽光発電の大量導入により、配電所をはじめとした配電網の設備増強が必要となり、発電事業を起因とする設備増強が増えた。したがって、今まで電力需要者のみが負担していた託送コストを、発電者側も負担しないと不公平であるとの認識に至ったのである。

 今まで旧一般電気事業者が総括原価方式で、発電コスト、送電コスト、営業事務コストを全て電力需要者からの料金で回収する図式では、既存の制度で問題は生じなかった。しかし、再生可能エネルギーが普及し、様々な事業者が送電網に接続するようになった。電気を送るために配電網を増強するコストという意味では、電力需要者と電力供給者を区別し、電力需要者だけが負担する仕組みに合理性はない、ということになったのかもしれない。

 宅配便をイメージすると、物を送る側と物を受領する側で、宅配コストをどのように負担するのか、という問題である。宅配コストの負担のため、物を送る側と受領側のどちらか一方のみから料金を徴収するという考え方が一番シンプルである。しかし、物を送る事業者が次々と現れ、送料が高騰し始めたにもかかわらず、送料については全て受領者負担で、送料がどんどん上がるというのは耐えられない、ということだ(図1)。

図1●発電側基本料金の導入趣旨
(出所:2020年12月15日・経済産業省・制度設計専門会合資料)
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