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「環境価値」に脚光、制度が乱立して混乱も

内閣府のタスクフォースが制度改革を後押し

2021/02/26 01:00
大串卓矢=スマートエナジー社長
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 再生可能エネルギーの「環境価値」は、わかりにくい。感覚的に理解が難しい上に、制度が色々あるからだ。

 固定価格買取制度(FIT制度)で売電している再エネは、国民から徴収した賦課金で支えられているため、環境価値は国民全体に帰属すると整理されていた。このためFIT制度で太陽光が急速に普及する中で、環境価値が話題に上ることはほとんどなかった。FIT制度上、買取単価が高かったため、環境価値は「おまけ」的な扱いとなり、重要性が無くなってしまっていた。

 ここにきて環境価値を巡る話題が目立ってきたのは、「非FIT」や自家消費での太陽光発電が増え、それらの再エネは環境価値を持つため、広くアピールできるようになったことや、世界的にも、企業の再エネ利用が重要視されるようになってきたことが背景にある。今回は、環境価値について解説する。

そもそも「環境価値」とは?

 環境負荷の小さい発電方式で作った電気は、負荷の大きい発電方式からの電気より「良い」と考えられる。そのため、「環境負荷の小さい電気のみが欲しい」という消費者が現れる。そして、「環境負荷が小さい」という部分だけを電気と切り離して流通させると便利であることから、便宜的にバーチャルな価値が考え出された。それが「環境価値」である。

 こうして生まれた「環境価値」を積極的に購入することで、環境負荷の少ない事業を経済的に支援する、という企業が出てきた。そのための仕組みが、「環境価値取引」である。グリーン電力証書の創設に貢献したソニーなどが有名だ。

 昔は、CO2を削減したことの価値である「CO2クレジット」が有名な環境価値であったが、今は再エネの人気が高まってきた。そこで、再エネによる電気を「再生可能エネルギーの価値」と「電気」とに分離し、「再エネクレジット」を流通させることで、再エネを支援する仕組みが広まってきた。

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