特集

「環境価値」によるカーボンニュートラル、会計税務に留意点

取得した目的によって評価方法などに違い

2021/03/29 05:00
大串卓矢=スマートエナジー社長
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従来は「広告宣伝費」だったが…

 政府によるカーボンニュートラル(炭素中立)目標が大きく掲げられ、産業界でもネットゼロ目標と環境価値によるオフセット(相殺)が再び注目を集め始めている。

 これまではオリンピックのカーボンオフセット、サミットのカーボンオフセットのようなイベントのオフセットが中心であったが、今後は企業の業務に伴う日常的なCO2排出量をゼロにすることが目標である。そうなると会計税務上の問題が生じる。

 今まで、カーボンオフセットは広告宣伝費で処理することが多かったが、現在のような大規模でも同じ処理で問題ないのか解説する。

既存の排出量取引の会計処理

 カーボンオフセットに関する会計処理については、企業会計基準委員会「排出量取引の会計処理に関する当面の取扱(2009年6月改正)」で会計基準として確立されている。

 会計処理方法は、環境価値(クレジット)を取得する目的によって変わる。(1)第三者に販売する目的で取得した場合(事業投資に該当する場合:活発な取引が行われる市場が整備されていない環境)、(2)将来の自社使用を見込んで取得する場合(事業投資)、(3)試行スキームの無償取得ケース、(4)トレーディング目的で保有する棚卸資産として処理(金融投資に該当:活発な取引が行われる市場が整備されている環境)で、会計処理が異なることになる(図1)。

図1●会計処理は環境価値を取得する目的によって異なる
(出所:筆者作成)
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