特集

非FIT再エネ事業で求められる「電力市場」への理解(page 2)

JEPX主要市場の動向、発電側基本料金の行方を概観

2021/04/28 05:00
大串卓矢=スマートエナジー社長
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同時同量とインバランス

 電気は需要量と供給量を一致させないと、電圧など電力品質を一定に保てなくなり、安定した電気とは言えなくなる。途上国などで、電灯がチカチカするといった経験をした方もいるかもしれないが、品質の高い電気は、IT機器や製造業には必要不可欠な存在であることは想像に難くない。

 そこで、日本では制度上、発電事業者や小売事業者は、1時間前までに発電計画や需要計画を30分単位で提出することが求められる。しかし、風力発電など予測が難しい発電方式では、予測が外れることがある。その場合、インバランス料金を支払い、バックアップ体制をとる事業者に支払いを行う。

 インバランス料金は、ペナルティとしての位置付けから、通常の電気の価格よりも高く設定されるが、通常の価格とあまり変わらない値段になっていたり、実務的には予測が難しい価格設定となっていた。

 昨今の年末、年始では、このインバランス料金が跳ね上がり、インバランス料金の予見性の確保、価格決定の透明性確保、市場が過熱してしまうことを防ぐセーフティネットの機能などが求められ、制度改革が行われる予定だ。同時同量原則の観点から、太陽光発電は発電量の予測が重要となり、インバランス料金の支払い回避のための手法が重要となる発電方法であることがわかる。

「非化石価値取引市場」は制度変更へ

 過去にこのコラムでも何回かとりあげた、非化石価値であるが、非化石価値はJEPXで取引できる。現在、JEPX会員のみ購入可能であるが、会員でなくても購入できるように制度変更される。

 非化石価値取引市場は、「非化石電源(再生可能エネルギー、原子力)からの電気の持つ「非化石価値」を証書化し取引を可能にするために創設された市場」である。証書はエネルギー供給構造高度化法(高度化法)で電力小売事業者に課せられた非化石電源比率に使用することができる。(関連記事

「需給調整市場」がスタート

 再生可能エネルギーが普及してきたため(17%)、電気の周波数を一定に保つための調整力に対するニーズも大きくなっている。この調整は送配電会社が実施している。今まで、送配電会社ごとに公募調達してきたが、2021年4月から市場から調達することになった。

 需給調整市場には、蓄電池やデマンドレスポンス(DR=需要応答)、負荷設備を制御することで、調整力を売ることが出来る。これらは、一つの設備だけで大きな調整力は供給できないが、アグリゲータがこれらの調整力を集約し、社会に供給することが期待されている。

 将来は、電気自動車(EV)の電池、家庭の蓄電池を多数オンラインで制御し、その地域に予備力、調整力として役に立たせるアグリデータが活躍するかもしれない(図2)。

図2●需給調整市場でもアグリゲータの役割が期待されている
(出所:経済産業省)
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