入札制度の改善で活性化
セカンダリー案件を見る前に、グリーン(新設太陽光設備)市場の状況を見てみよう。入札制度が導入されて以来、グリーン案件の供給は目にみえて減った。しかし、2021年6月に太陽光向けFITの入札結果から、今後に期待できるようだ。
なぜなら、今回の入札で初めて募集容量208MWに対して、その全てが落札されたからだ。今回は、事前に上限価格(11.00円/kWh)を公表した。落札されたのは135件・約208MWで、最低落札価格は10.00円/kWh、最高落札価格は10.98円/kWh、加重平均落札価格は10.82円/kWhであった。使いにくいと言われた入札制度の改正の効果が現れた。上限価格が公表され、入札価格の目安が事前に分かったこと、入札保証金の没収要件が緩和されたことが大きい。
来年度から始まるフィード・イン・プレミアム(FIP)もFITの大規模案件と同じように入札によるFIPプレミアム金額を決定するため、FIT入札制度が閑散としていた今までの状況では、FIP制度も心配であったが、今後に期待が持てる内容となった。