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太陽光「セカンダリー案件」、売買時の7つのリスク(page 4)

RE100企業の増加で事業会社にも買い手が広がる

2021/06/29 00:10
大串卓矢=スマートエナジー社長
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セカンダリー案件のリスク

 セカンダリー案件の売買時、デューデリジェンスという手続きでリスクの洗い出しを行うが、筆者が経験した、重要だと思うリスクの例をここに挙げる。

(1)パネルメーカーの倒産
パネルメーカーの長期保証が無い案件をどのように評価するかという問題になる。PID(Potential Induced Degradation)が大規模に生じたら、大きな損害が発生する。

(2)土地の地主が新たな買い手に「NO」
賃貸している土地の地主承諾が取れないケースがあった。新しい買い手との折り合いがつかないと土地賃貸借契約が締結できずにブレイク(不成立)してしまう。

(3)造成工事が不十分である
排水関係の不備、引抜き強度の問題、架台の洗掘などが見られるメガソーラー(大規模太陽光発電所)は多い。それが大規模に発生している場合は、そのメンテナンスコストの算出で、売買金額を下げてほしいという買い手からのリクエストに繋がるが、売り手が承諾しないケースが多い。

(4)元施工会社(EPC)の与信不足
EPC(設計・調達・施工)サービス会社の与信が不十分な場合、瑕疵担保責任の履行能力に備えて、引当て対応するが、ディスカウント要請となった。現在問題が発生していない場合が多く、売り手はなかなか承諾できないディスカウント要請である。

(5)接道に不備がある
よく調べると道路づけで不備があることがわかったが、改善できずに破談となった事例があった。開発時に接道の観点から、デューデリジェンスを実施しないと見過ごすケースがある。境界確定など事業地の確定に瑕疵がある場合が散見される。その場合に、「直す活動が取れない」、もしくは「取りたくない」場合にブレイクしてしまう。

(6)契約書の条項
損害賠償条項、表明保証などの内容が売り手に受け入れられないケースがある。金融機関系の契約書は欧米に準じた形式が多いため、売り手には馴染めないこともあり、文化的背景もブレイク原因となる。

(7)ハザードMAPで引っかかる
洪水危険区域にある発電設備に関して、取得するかどうか、買い手によってポリシーが異なる。一番厳しく考えているところは、一発アウトとなる。

セカンダリー案件の事例
セカンダリー案件の事例
(出所:スマートエナジー営業資料)
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