特集

「ポストFIT」時代の太陽光オペレーションとは?(page 2)

注目される「アグリゲーター」の役割

2021/09/22 18:00
大串卓矢=スマートエナジー社長
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太陽光のコスト競争力は高い

 2030年までに2倍の導入目標を達成するうえで、価格シグナルは極めて重要である。FITで太陽光発電が爆発的に増加したのは、経済性が高かったからだ。太陽光発電をめぐる経済性に関する現状を整理する。現在、太陽光発電による電気は12円/kWhが目安となっている。したがって、太陽光発電による電気は、すでに電力会社から購入するよりも安い。

 経済性を考える上で、建設コストと売電単価、そしてオペレーションコストがポイントになる。

 まず、建設コストを考える。太陽光で電気を作るための費用には、部材コスト、建築人件費、連系コスト、土地取得費、維持運用コストなどがある。トータルコストは、ここ10年間で3分の1程度まで下がったが、最近、イニシャルコストの3分の1以上を占める太陽光パネルの値段が上昇している。一時、W(ワット)あたり30円を下回る水準であったが、現在35円以上になってきている。原因としては、コロナ禍による工場稼働率の問題、中国国内の需要が多く、海外分の量が確保できないからといった背景が考えられる。

 FITと異なり、土地関連費用は限りなくゼロでないと他の電源とのコスト競争には勝てないことがわかっている。そのため、屋根上、耕作放棄地、水上、農地上のソーラーシェアリングなど土地関連コストがゼロに近い立地が注目されている。

 次に売電単価については、最終需要家の購入価格との関係になる。電気の値段は最終需要家が20円/kWhで購入できれば太陽光発電は普及すると筆者は考えている(正確には、時間、季節、地域によって電気の価値は様々なのであくまでも参考値である)。

 太陽光発電のライバルは、主としてガス火力である。火力発電の燃料、LNG(液化天然ガス)は中国の輸入量が増加しているため、日本の輸入コストも高くなってきている。概況としては、太陽光発電による電気の価格競争力は比較的高くなっていると言える。

 オペレーションコストも重要である。いままで、太陽光発電所のO&M(運営・保守)が、保守メンテナンスが中心であったのに対して、これからの太陽光発電設備は、系統連系ルールに従う必要がある。具体的には発電量を予測して、系統運用者へ送電量を報告しなければならない。こうしたオペレーション業務が増えることから、O&M料金は現在より上昇する可能性が高い。保守メンテナンスはスマート保安によって合理化し、オペレーション業務はAIによる自動化で、コストを低減する必要がある。

 現在予想されるコストは、託送料金3.5円/kWh(高圧)、インバランス料金負担を含むオペレーション業務で4円/kWh、メンテナンス業務1.5円/kWhで合計9円/kWhである。託送料金は、厳密には需要家負担であるが、これからランニングコストの増加が予想される(図2)。

図2●運営コストのイメージ
図2●運営コストのイメージ
(出所:筆者作成)
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