特集

「ポストFIT」牽引する再エネ政策のポイント

2030年までに太陽光を倍増に伸ばす方策

2021/10/28 05:00
大串卓矢=スマートエナジー社長
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 太陽光発電については、2021年度を最後にとうとう固定価格買取制度(FIT)から脱却し、新たなフェーズに入ろうとしている。それでも第6次エネルギー基本計画で掲げた日本政府の目標は、野心的であり現在の2倍もの太陽光発電の導入量を見込む。

 フィード・イン・プレミアム(FIP)と自家消費をエンジンとした制度を見据えているようだが、制度上の課題はそれだけではない。今回は、ポストFITで著者が重要だと思う政策について、解説する。

2030年に向けた政策対応のポイント

 2021年10月22日第6次エネルギー基本計画が閣議決定された。それによると、2030年度に電源構成の36~38%を再生可能エネルギーで賄う目標を掲げた。現在の1853億kWhを約2倍にする再エネ設備を導入する目標である(図1)。

図1●2030年の再エネ導入目標
図1●2030年の再エネ導入目標
(出所:経済産業省・大量導入小委員会中間整理案・2021年10月20日)
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 目標達成には、再エネの優等生である太陽光発電を低コストで普及させることが重要である。そのためには、買取価格は市場と同じにしつつ、今まで免除されてきた各種の義務を課すことが、無理なく実施される必要がある。そのため、以下の促進策が計画されている。

(1)地域と共生する形での適地確保→改正温暖化対策推進法に基づく再生可能エネルギー促進区域の設定(ポジティブゾーニング)による太陽光・陸上風力の導入拡大、再エネ海域利用法に基づく洋上風力の案件形成の加速などに取り組む。

(2)事業規律の強化→太陽光発電に特化した技術基準の着実な執行、小型電源の事故報告の強化などによる安全対策強化、地域共生を円滑にするための条例策定の支援などに取り組む。

(3)コスト低減・市場への統合→FIT・FIP制度における入札制度の活用や中長期的な価格目標の設定、発電事業者が市場で自ら売電し市場連動のプレミアムを受け取るFIP制度により再エネの市場への統合に取り組む。

(4)系統制約の克服→連系線などの基幹系統をマスタープランにより「プッシュ型」で増強するとともに、ノンファーム型接続をローカル系統まで拡大。再エネが石炭火力などより優先的に基幹系統を利用できるように、系統利用ルールの見直しなどに取り組む。

 いずれも新たに太陽光発電所を建設することを考えるときに、直面する問題である。確かにこれらの問題が解決しないまま、太陽光発電は増えないと言えるだろう。

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