精度向上のカギはAI
太陽光発電の予測方法には、発電設備の発電量をダイレクトに予測する直接法と、太陽光の日射量を予測し、それを元に発電量を予測する間接法がある。主流は、気象庁による気象予測データ、日本気象協会、ウェザーニュースなどによる日射量予測サービスなどを活用した間接法である。この場合の予測手法は、日射量予測データに基づいて、発電量を統計的手法により修正する方法が多い。この計算はもはやAI(人工知能)を活用するのが一般的になっている。
AIによる予測は、過去の日射量と、実際の発電量データとの相関関係を統計的に分析することによって行う。モデルを最も単純にして数式で表すと以下のようになる。
Y(発電量)=α(係数)* X(日射量)
XとYに、過去のデータを大量に代入することで、季節や日時、場所の違いにより、αがどのような値となるのかを、コンピューターでシミュレートしていく。この学習プロセスを数多く行うことで、αの精度を高めていくことができる。
FIT電源でない発電設備は、48時間前、24時間前、1時間前までにそれぞれ発電送電量を報告しなければならない。そして、1時間前の発電計画と実際の発電量の差は、インバランスと呼ばれ、ペナルティを支払わなければならない。つまり、予測精度が低いと送電コストが高くなり、逆に予測精度が高いとコストが安くなる。そのため、高い予測精度を持つAIには高い価値があると考えられている(図2)。