特集

ポストFIT太陽光・成功のカギ、発電量の予測技術(page 3)

AIで精度向上、O&Mの高度化・低コスト化にも寄与

2021/11/30 05:00
大串卓矢=スマートエナジー社長
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コンテストに見る技術潮流

 2018年には太陽光の発電量を予測する技術の優秀さを競うコンテストが開催された。東京電力ホールディングスと北海道電力の共催で、北海道内における太陽光発電設備を対象とした発電量を予測する手法の提案とその精度を競うオープンイノベーションによるコンテストである。

 コンテストでは、過去(2016年~2017年)の太陽光発電量実績データや気象データなどを用いて、太陽光発電量を30分単位で予測する。その予測手法を用いて、主催者があらかじめ指定した太陽光発電所を対象に13カ月分(2018年1月1日~2019年1月31日)の発電量を予測するものである(図3)。

図3●太陽光発電量予測技術コンテスト「PV in HOKKAIDO」の概要
図3●太陽光発電量予測技術コンテスト「PV in HOKKAIDO」の概要
(出所:東京電力ホールディングス)
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 これを見ると、AIによる予測技術も様々な手法があることがわかる。

 そもそもインプットする気象データにも、単なる天気予報だったり、気象データにもモデルを作ったりとそれぞれ独自の方法によって、インプットデータを決めている。そのデータを入力して発電量を予測するが、いずれも機械学習の手法を用いる。モデルには、物理モデルと呼ばれる日射量に係数を乗じて発電量を推測する方法が多く採用されている。

 NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)のモデルも物理モデルである。ただ、機械学習は、誤差の特徴に着目して、誤差が生じた時に誤差発生の原因を特定するモデルなども作れる。また、物理モデル以外にも、類似の発電所の発電量の相関から、発電量を予測するモデルなどがある。これらの複数のモデルを作り、多数決方式で最終的な発電量を予測するアンサンブル学習と呼ばれる方法もある。これらの機械学習の手法を駆使して、最も精度が高いモデルを作ることに各社がしのぎを削っている(図4)。

図4●東芝の発電量予測モデル
図4●東芝の発電量予測モデル
(出所:東芝プレスリリース)
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