固定価格買取制度(FIT)が収束段階となり、フィード・イン・プレミアム(FIP)制度やコーポレートPPA(電力購入契約)モデル、自家消費型太陽光発電に注目が集まる中、改めて太陽光発電設備からの発電量を予測する技術に焦点があたっている。その重要性や技術の特徴、将来性について解説する。
予測技術のニーズに変化
太陽光発電所はFIT制度によって、導入量が大幅に増加し、系統運用会社である一般送配電事業者が太陽光パネルによる発電量を予測するようになった。太陽光発電量を予測しなければ、電力の需要と供給をバランスさせることが出来なくなったためである。
例えば、東北電力ネットワーク管内では、2021年5月の大型連休中の電力需要724万kWに対して、太陽光と風力による発電量は635万kWに達したと発表されている。このような状態で、太陽光の発電量予測に失敗したら、系統運用が大変な事態になることは想像に難くない。
太陽光発電を支援する仕組みがFIT制度からFIP制度になると、発電量の計画値を作成する義務は、制度上、発電事業者が負うことになる。したがって、太陽光発電所のそれぞれのオーナーが発電量予測をしなければならない。そこで、予測技術に対するニーズが一気に高まることになったのである。
このニーズの変化は、予測技術に対する内容の変化ももたらすだろう。なぜなら、今まで系統運用会社(一般送配電事業者)レベルでの発電量予測であれば、それほど細かい単位での予測は不要であったが、個別の太陽光発電所の出力レベルで予測しなければならなくなるからだ(図1)。