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「営農型太陽光とバイオガス発電で地域循環を」、e-flat東平社長に聞く(page 2)

メガソーラービジネス インタビュー

2019/07/10 05:00
金子憲治=日経BP総研 クリーンテックラボ
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FIT低下で「営農型」有望に

現在、国内で稼働している営農型太陽光の多くは、固定価格買取制度(FIT)の初期認定案件で、「農地転用」を目指したものの実現できず、次善の策として、「一時転用」という形で発電事業を行うケースが多いように思います。その場合、発電が主なので、遮光率50%程度までパネルを詰めて並べ、作物は影でも育つミョウガやサカキなどが選ばれます。

東平 今のソーラーシェアリングにそうした側面があることは認識しています。松山市のサイトでも、遮光率50%でも育つシキミを植えましたが、これは発電事業がメインだからというのではなく、本社のある東京から遠く、限られた人員で太陽光と農業を運営するという制約から、手間のかからない作物にしたかったからです。

 e-flatでは、松山を含めて合計5MWのソーラーシェアリングを運営していますが、千葉県芝山町の営農型サイトでは、ブドウの栽培に取り組んでいます。ブドウは元々、棚が必要なので、太陽光設備と構造を共有できるなど、建設コストで利点もあります。シキミに比べると手間がかかりますが、地理的に容易にバックアップできます。

営農型太陽光は、架台など建設コストが高く、発電事業としては効率が悪いため、FITによる売電単価が下がってくると採算が合わないと言う人もいます。

東平 いま全国に稼働しているソーラーシェアリングは、FIT初期の高額な売電単価のケースが多いのは確かです。しかし、今後の野立て型の事業用太陽光発電の在り方を考えると、低圧クラスの小規模案件は、むしろ営農型の方が有利に思います。

 ソーラーシェアリングの理想的な姿は、発電事業と営農、運営を同じ主体が手掛けることです。これには発電事業者が自分で農業を手掛けるケースのほか、地域の農業者が自分の土地に太陽光パネルを設置して発電事業を行うパターンも有望です。そうすれば、売電と農業で2つの収入が得られるので、経営が安定化します。

 架台の柱が高くなる分、建設コストは多少上がりますが、FIT開始当初に比べ、システムコストのほか、施工コストもかなり下がってきました。設置高が高いため、太陽光パネルの目視チェックが難しいなど運営で不利な面もありますが、e-flatの営農サイトでは、パネルごとに発電量を監視できるシステムを導入して、O&Mも効率化しました。

 そもそも営農型の場合、土地代が安いので、事業的に有利です。太陽光発電の保守と営農を一緒に担当できるような人材を育て、両事業を効率的に運営できれば、売電単価が10円台になっても事業性を確保できると見ています(図1)。

図1●愛媛県松山市に3.6MWのソーラーシェアリングを稼働
(出所:日経BP)
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