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「営農型太陽光とバイオガス発電で地域循環を」、e-flat東平社長に聞く(page 3)

メガソーラービジネス インタビュー

2019/07/10 05:00
金子憲治=日経BP総研 クリーンテックラボ
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FIT10円台では金融機関が慎重に

逆に言うと、単なる「野立て型太陽光」は、FIT単価が10円台まで下がってくると、新規開発は難しくなってきますか。特に、連系出力50kW未満の事業用低圧太陽光は、1つの敷地を複数の案件に分割することを禁止されたり、架台の設計基準の強度が厳しくなるなど、政策変更でコストアップの要因が増えています。

e-flatの東平豊三社長

東平 事業用低圧太陽光には、政策的に逆風になっています。それでもコスト低下が進んでいるので、FIT単価10円台でも、新規開発で表面利回り12%、IRR(内部収益率)9~10%程度をなんとか確保できると思います。ただ、以前に比べると、ほとんど余裕がなくなっているので、金融機関は融資に慎重になり、資金調達が壁になってきます。

 FIT単価10円台まで下がると、高圧や特別高圧クラスまで大規模化しないと、新規開発は難しいと思います。やはり、50kWというのは、施工や運営の効率が悪いのです。その意味で、このクラスでは営農型が有望な選択肢になります。

 事業用低圧太陽光の事業では、「低圧分割の禁止」となった政策変更の影響が大きかったように感じます。e-flatでは当初、2MWを40区画の低圧案件に分割して開発し、複数の投資家に販売するというパターンが多かったのですが、これなら施工効率も高く、完成後もまとめて運営すれば、高圧案件と同じような効率で管理できます。

経産省の有識者会議などでは、安全性や持続性の面で事業用低圧案件への評価は低く、「低圧分割」は、法の隙間を利用した「悪者」のように見なされました。

東平 確かに、事業用低圧案件には、設計や施工で問題のあるものが目立つのも事実です。しかし、まじめに作ってきた事業者も多いことは分かってほしいと思います。設計基準の強化で言えば、e-flatでは当初から、風速35~40m/sを想定して設計し、単管パイプ製の架台などは検討したことさえありません。そのため、これに関しては政策変更の影響はありません。

 ただ、「低圧分割=悪」にように捉えられたのは、たいへん残念です。例えば、2MWを40区画に分割するようなケースでは、連系協議や土地開発など、「みなし高圧」として高圧案件と同じようなプロセスでやってきました。

 また、電源としての安定性でいえば、約50kWずつバラバラに系統に接続されているので、不具合があっても送電が停止するのは1つのサイト(約50kW)で済みます。2MW全部が停止する高圧案件に比べると、系統への負担は小さいとも言えます。多くの国民が投資をして太陽光を普及させるという点で、事業用低圧案件は優れています。経産省の委員会では、こうした分割手法のプラス面がまったく評価されませんでした。

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