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「ポストFIT、自家消費時代の太陽光プロジェクト会社の生きる道は?」、トリナ・ソーラーの開発会社に聞く

メガソーラービジネス・インタビュー

2019/11/13 05:00
加藤 伸一=日経BP総研 クリーンテックラボ
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太陽光パネル大手であるトリナ・ソーラーは、世界的なメガソーラー(大規模太陽光発電所)デベロッパー(開発企業)でもある。買取価格が市場連動型になり、さらに、地域活用型や自家消費を推進する政策に変わっていく中、どのような事業戦略を立てているのか、国内で太陽光発電所の開発・運営を担う日本法人、トリナ・ソーラー・ジャパン・エナジー(東京都港区)のカルロス・ガルシア社長に聞いた。

――トリナ・ソーラーの国内外での太陽光発電所の開発実績を教えてください。

 世界では、合計出力約3GWの太陽光発電プロジェクトが系統連系済みとなっています。中国や英国などで開発が先行し、メキシコなどでも大規模なプロジェクトを手がけています。

トリナ・ソーラー・ジャパン・エナジーのカルロス・ガルシア社長
ガルシア社長は、スペイン出身。再生可能エネルギーには、2001年から本国の企業において関わり、長い経験をもつ。日本における太陽光発電プロジェクトの開発には、スペイン系企業の在籍時から関わり、2014年からトリナ・ソーラーで現職(出所:日経BP)

 日本では2014年以降、開発を加速させてきました。9月末時点で稼働済みが45カ所、太陽光パネルの合計出力約100MWとなっています。このうち特別高圧送電線に連系したのが2カ所・43MW、高圧配電線に連系したのが43カ所・57MWです。

 このほか、開発中・施工中の案件が、100カ所・305MWあります。特高案件が11カ所・205MW、高圧案件が89MW・100MWとなっています。

――トリナ・ソーラー・ジャパン・エナジーによる日本におけるプロジェクト開発の強みは、どこにありますか。

 垂直統合型の事業モデルで、土地の取得から、許認可の申請、事業性の評価、リスク管理、資金調達、EPC(設計・調達・施工)、O&M(運営・保守)、アセットマネジメント(資産管理)など、開発の初期から運用まで、関連する分野の専門家を揃え、連動しながら一貫して開発・運用できます。

 例えば、メガソーラーの設計時には、O&Mの担当者も加わって議論します。これによって、建設コストや施工性ばかりを追求するのではなく、長期信頼性や運用、保守のしやすさという要素に、より重きを置いた設計となります。

 この結果、高いパフォーマンスを長期にわたって維持できます。

――立ち上げ当初と現在で、変化はありますか。

 当初は、設備認定や連系承諾、土地の権利などを取得済みの案件を購入し、開発していくことが中心でした。こうした案件を「ブラウンフィールド」と呼んでいますが、現在では、こうした権利購入ではなく、土地の権利の取得や設備認定などを一から手がける「グリーンフィールド」と呼ぶ案件が多くなっています。

 この背景には、市場変化が大きく関係しています。ドイツをはじめ、FITで先行した国や地域では、太陽光発電の導入を加速するために、太陽光発電関連産業を育てつつ、発電コストの低下を促し、さらに買取価格を引き下げ、最終的に市場でコスト競争力のある電源になりました。

 こうなると、自家消費の発電設備もどんどん導入されていきます。安い太陽光発電の自家消費によって、相対的に高い商用電力の購入量を減らせるからです。蓄電池のコスト低下次第では、系統からの電力購入をなくすことも夢ではありません。こうした社会を実現するための新たなサービスも、次々に登場しています。

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