特集

「FIPはコーポレートPPAへの扉を開く道のり」。アキラ・キャピタルのユン・ジアン・チョン氏に聞く(page 4)

メガソーラービジネス インタビュー

2019/12/04 17:52
金子 憲治=日経BP総研 クリーンテックラボ
印刷用ページ

再エネ自家消費には限界

ーー事業活動を再エネ100%で賄うことを目指す「RE100」に加盟する日本企業が増え、自家消費型の屋根上太陽光を導入するなど、電力需要家が直接、再エネに投資する動きも国内で活発化しています。

チョン氏 海外でも業界によっては、需要家である企業が直接、再エネに投資して発電するというケースもあります。しかし、電力多消費型の企業の多くは、再エネ開発や投資を外部の専門企業に任せ、「コーポレートPPA」という形で再エネ電気を調達しています。

 ダイムラーをはじめ、鉄道、重工業 巨大なデータセンターを持つアマゾンやグーグルなどIT業界の大手も、「コーポレートPPA」を使って再エネを調達するのが主流です。その方が、自分で発電事業を手掛けるよりも効率的だからです。

 また、北欧の場合、電力会社はすでに多くの水力発電を持っていますが、最近では、ポートフォリオ上、風力発電を加え始めています。その場合、自ら投資してウインドファームを建設するのではなく、投資家の資金で開発された風力発電所から電力を購入することが多くなっています。巨額の投資負担なしに再エネを調達できるからです。

ーーアキラ・キャピタルでは、どんな再エネ開発プロジェクトの実績が多いのですか。

チョン氏 建設中を含めて約4GWの再エネ事業を手がけており、具体的には、太陽光、陸上風力、水力発電が中心です。特徴的には、一般的に投資機会の少ない水力発電にも取り組んでいることです。2009年から投資を開始し、143の水力発電所を運用しています。水力は、今後、再エネ主体の電源構成に移行していくなか、ベース電源として非常に重要になります。

 具体的なプロジェクトとしては、今年7月に、欧州最大のウインドファームの開発案件を取得しました。ノルウェーで計画されている400MWの発電所で、今秋に着工します。また、今年3月にはスペインで計画中の陸上風力(400MW)と太陽光発電(300MW)のプロジェクトを取得しました。

 欧州各国は、それぞれ高い再エネ導入目標を掲げているので、今後は大規模な洋上風力の開発が活発化します。日本でも、陸上立地に制約が増えるなか、今後、洋上風力はたいへんに有望と見ており、欧州での経験が生かされる場面も多くなると見ています。

日本でのセミナーで来日したアキラ・キャピタルのチーム
(撮影:清水盟貴)
クリックすると拡大した画像が開きます
  • 記事ランキング