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太陽光発電市場――2020年の展望~市場規模、政策、事業モデルの動向(page 3)

新設市場は堅調、「低圧事業用」の政策支援打ち切りで正念場

2020/01/05 22:29
金子憲治=メガソーラービジネス編集長(日経BP総研 クリーンテックラボ)
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市場規模は7~8GW

 ちなみに、これらの数値をもとに国内太陽光の新設市場規模を推計すると、交流ベース(連系ベース・PCS容量)で6~7GW、直流ベース(太陽光パネル容量)で7~8GWと推察できる。

 なぜ、そうなるのか、以下で解説する。3つの統計では、経産省とJEMAの数値は交流ベース、JPEAは直流ベースになる。

 経産省とJEMAはいずれも交流ベースだが、経産省の数値は、FITを利用して連系した案件なので、屋根上などここ数年増えている全量を自家消費する案件は含まれない。また、JEMAの統計には、比較的シェアの高い中国ファーウェイ、仏シュナイダーエレクトリックなど一部の有力海外メーカーが含まれない。従って、両方の値とも実際よりもやや小さくなる。その分を補正すると、国内市場全体の規模は大雑把な推計で、交流ベースで6~7GW程度になると見られる。

 これにPCSの定格出力を超える太陽光パネルを積み増す「過積載」の比率が20%と仮定すれば、直流ベースでは7~8GWと推察できる。

 この数値(7~8GW)と、もともと直流ベースであるJPEAの数値(5.50GW)が合わないのは、JPEAの調査対象企業のカバー率が70~80%に留まると見られるためで、それを補正すると、やはり7GW程度になり、ほぼ一致する。

 同様の考え方で推定した2014年度の直流ベースの市場規模は11~12GW、2015年度の規模は10~11GW、2016年度は8~9GW、2017年度7~8GWだったので、太陽光パネル市場は、2014年度をピークにここ数年、年度ごとに1GW程度ずつ縮小してきたが、2018年度には微増に転じ、4年ぶりに下げ止まったことがわかる。

 今年度(2019年度)は、さらに盛り返し、再び8~9GWの市場に拡大する可能性が高い。2019年9月のデータまで公表しているJPEAの四半期ごとの出荷統計を見ると、2019年4~6月期は1.49GWで前年同期比19%増、同年7~9月期は約1.62GWで前年同期比18%増と伸びており、2019年度のさらなる市場拡大を予想させる(図5)。

図5●国内太陽光設備の新設市場規模の実績と予測(単位:GW、直流ベース)
(出所:日経BP推計)
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