「住宅太陽光」も持ち直す
工期の長い特別高圧送電線に連系する大規模案件が太陽光発電の新設市場を牽引し始めていることは、経産省の公表する導入量でも明らかだ。2016年度に1.14GWだった特高案件の導入量は、2017年度に1.46GW、2018年度に1.83GWと着実に伸びている(図7)。
それに加え、2018年度以降、太陽光市場を下支えし始めているのが、住宅向けの屋根上太陽光だ。住宅太陽光の設置件数は、2012年度をピークに減少し、2017年度には約662MW(約13万3000件)まで落ち込んだが、2018年度に約734MW(約14万6000件)となり、ようやく上向きに転じた(図8)。
JPEAの太陽電池出荷統計を見ると、住宅向け出荷量は、2019年4~6月、同年7~9月とも、前年同期比で10%以上伸びている。この背景には、屋根上太陽光が設置されやすい「持ち家」「分譲住宅」の新築着工件数が2018年度に前年度比約5%増加したことや、太陽光パネルの価格低下と災害時の自立運転機能に対する認知度が上がり、住宅オーナーに対する遡及力が高まっていることなどが考えられる。