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太陽光発電市場――2020年の展望~市場規模、政策、事業モデルの動向(page 6)

新設市場は堅調、「低圧事業用」の政策支援打ち切りで正念場

2020/01/05 22:29
金子憲治=メガソーラービジネス編集長(日経BP総研 クリーンテックラボ)
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新規開発案件は3~4GWに縮小

 2022年以降の太陽光市場を予測する場合、住宅太陽光と業務用の自家消費型市場が堅調に推移し、この両市場で2~3GWの規模になる可能性があるものの、野立て型全量売電モデルの新規開発が滞れば、国内市場の大幅な縮小は避けられない。

 2018年度の事業用太陽光の新規認定量は約4.8GWに留まったが、2019年度は、これと同水準か下回る可能性が高い(図9)。

図9●事業用太陽光の年度別・認定量(単位:GW)
(出所:経産省の公表資料を基に日経BP作成)
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 2019年度上半期の500kW以上を対象にした入札による認定は195MW、下半期は324MW分が入札資格を得ていることから、仮にこのすべてが落札して認定に至ったとしても合計で519MWに過ぎない。これに低圧事業用案件で1~2GW、住宅太陽光で1GW、自家消費型で1GWが加わったとして、国内全体の新規案件は4~5GWに留まる。
 
 さらに2020年度には低圧事業用案件がなくなるため、新規開発件数が、さらに減るのがほぼ確実で、3~4GW程度まで縮小する可能性もある。

 2022年度以降の太陽光の新設市場は、FIT大型案件の完工が一段落するとともに、こうした2020年度以降の新規開発の停滞によって、4GW前後に縮小する可能性もある。

 その先の市場規模に関しては、2021年度から開始予定のFIPと地域活用電源によるFIT、そして民間ベースで取り組まれる「コーポレートPPA(電力購入契約)」などによって、野立て型全量売電の案件がどの程度、開発されるかにかかってくる。

 これに大きく影響するのが、今後、具体化されるFIPと地域活電源向けFITで、どの程度の政策的な支援を行うかになる。これら支援策の魅力が乏しい場合、RE100宣言企業などと組んで「コーポレートPPA」スキームを構築する動きが主流になることも考えられる。

 実際、欧米では、買取価格が変動し制度変更リスクのあるFIPによる再エネ事業よりも、「優良企業とのコーポレートPPAにより長期固定価格で売電する方が事業リスクが少ない」との評価もあり、民間ベースのPPAの導入も進んでいる。

 とはいえ、コーポレートPPAによる電力供給で、産業向け電気料金を置き換えるのは難しく、またファイナンスに耐える優良企業と契約でき、低コストで開発できる太陽光プロジェクトは、限られる可能性もある。

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