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「ソーラーシェアリングは次の太陽光市場の本命」、馬上代表に聞く

メガソーラービジネス・インタビュー

2020/02/21 05:00
金子憲治=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
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ソーラーシェアリング(営農型太陽光発電所)への期待が高まっている。日照を農業と太陽光発電で分け合うことで、1つの土地から得る収入を増やせる可能性がある。固定価格買取制度(FIT)の見直しでも、営農型については、「地域活用電源」として、支援していく方向になった。自らソーラーシェアリングを経営する一方、この分野の研究者でもある馬上丈司氏(千葉エコ・エネルギー代表)に、営農型太陽光の現状などについて聞いた。

お茶を濁しただけ!?

ーー2020年度の認定分から余剰売電に移行する低圧事業用太陽光のなかでも、「10年転用の営農型太陽光」に関しては、例外的にFITによる13円/kWhでの全量売電が可能になりました。こうした政策面での優遇をどのように評価していますか。

馬上丈司・千葉エコ・エネルギー代表
(撮影:日経BP)

馬上 営農型太陽光の地域社会に与える効果などが、「地域活用電源」という形で認められたのは、評価できます。これまで「営農型」はニッチな分野というイメージもありましたが、営農型に特化した設計ガイドラインが検討され始めたことも含め、今後、推進すべき再エネ電源として、政策的にしっかりと位置付けられたことは大きな前進です。

 とはいえ、引き続きFITによる全量売電が認められた、というだけで、今後さらに営農型が増えていくかは未知数で、楽観的にはなれません。そもそも、ここまで買取価格が急速に下がり、太陽光発電から手を引く動きが強まると、営農型に取り組む太陽光のプレーヤーが減っていきます。

 そのため、今回の例外的な優遇措置も、「お茶を濁しただけ」との懐疑的な見方もあります。政策的に本気で営農型を伸ばそうとの意欲が感じられないということです。

ーー経産省は、FITによる全量売電を認める営農型太陽光に「最大10年の農地の一時転用が認められた案件」という条件を付けました。

馬上 政策担当者からすると、「いい加減な発電事業者を増やしたくない」という思いがあり、それがこの条件の採用になりました。確かに営農型太陽光のなかには、本音は売電だけが目的で、形ばかりの営農で済ます「なんちゃってソーラーシェアリング」もあります。条件の厳しい「10年の一時転用」を認められた事業者であれば、いい加減な営農型太陽光が排除できる、との読みです。だが、それでも「抜け穴」はありそうです。

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