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「営農型も組み込みたい」「台風の影響は?」、カナディアンのインフラ投資法⼈・中村代表(page 4)

メガソーラービジネス・インタビュー

2020/03/16 09:31
加藤 伸一=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
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――大規模な施設の屋根上を活用した案件も、同じように建物内の事業が20年間、続くかどうか未知数です。

 屋根上も発展の可能性を感じていますが、通常、地主から土地を借りる場合と違って、屋根上の利用権が借地借家法で守られていない点に難しさがあります。

 例えば、所有者がビルを売ってしまったときに、次の所有者が、屋根上の太陽光発電は継続させない姿勢だったらどうなるのでしょうか。契約上は、ビルの次の所有者が継承することになっていても、それが本当に実行されるかどうかは分からないのです。

 屋根上の太陽光発電については潜在的な成長性を感じますが、インフラ投資法人よりも、資産運用面の柔軟性が確保しやすい私募ファンドのほうが向くと思います。

――カナディアン・ソーラー・グループ全体では、世界各地で発電所を開発しています。運用でも、日本のような上場したインフラ投資法人を活用する地域もあれば、別の手法の地域もあると思います。

 地域の特性に合わせて運用されていると聞いています。第三者に売却して開発利益を確保している地域もあれば、他社の私募ファンドと協業している場合もあるようです。

 ただし、グループで資産運用会社を設立して、上場インフラファンドに開発したプロジェクトを売却して、引き続きアセット・マネジメントとO&Mに関与しているのは、日本だけです。

 日本でインフラ投資法人を活用している理由の一つは、インフラ投資法人には事実上、法人税がゼロになる利点があるためです。

 インフラ投資法人が配当可能利益の90%超を投資家に対して配当する限り、配当を経費として認められて、インフラ投資法人には法人税がほぼかかりません。これを「税の導管性」と呼びます。これが、配当の利回りが比較的高くなる理由でもあります。

 しかし、この「税の導管性」は、Jリートでは恒久的に認められている一方、インフラ投資法人では、最初の資産を買ってから20年間に限定されています。

――この20年間という期間は、FITの売電期間に基づいて決まっているのでしょうか。

 その通りです。最初に買ってから20年間なので、後から組み込んだ発電所は、一番最初に買った時から経過した期間分だけ、「税の導管性」が適用される期間が短縮されてしまいます。

 日本は国策として再生可能エネルギーの普及を進めている中で、FIT期間終了後に太陽光発電をやめるのではなく、その後も長期間、発電を続けて地域の電源として重要な役割を担うことが重要です。この意義を関係当局に粘り強く訴えかけていけば、Jリートと同じように「税の導管性」が恒久的に認められると期待しています。

 また、太陽光発電以外の施設を組み込むインフラ投資法人が登場してくることでも、通常の不動産と同じように「税の導管性」を恒久化すべきという議論が進むと期待しています。

 現在の東証のインフラファンド市場に上場している7銘柄は、たまたま、すべて太陽光発電所のみを所有していますが、本来は、風力発電などの他の再エネ発電所だけでなく、コンセッション(道路、空港、上下水道などの料金徴収を伴う公共施設)も対象です。これらは、20年間で使い終わる施設ではありません。

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