特集

「再エネはFIT後にまた盛り返す」、再エネ長期安定電源推進協会・眞邉会長に聞く(page 2)

メガソーラービジネス・インタビュー

2020/03/27 01:00
金子 憲治=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
印刷用ページ

太陽光は200~300GWも

ーー将来的な太陽光の導入目標に関しては、どのようなイメージを持っていますか。例えば、JPEAは、「2050年に200GW」という長期ビジョンを掲げています。眞邉会長個人のイメージとしている「2050年には再エネが電源構成の半分」のうち、太陽光がさらにその半分として、導入容量に置き換えると、やはり「200~300GW」という規模になります。

眞邉 国内の電力需要の水準が変わらなければ、その程度のレベルになるでしょう。導入目標については、今後、会員のみなさんと明確な数字を検討していきたいと思っていますが、個人的な見解として示している「電源構成の半分」というイメージは、現時点で会員間でも大きな違和感がないものと認識しています。

 FITの買取単価が下がるなか太陽光の新規開発は、一時に比べると大幅に減少しており、太陽光業界には暗い雰囲気もあります。ただ、これは一時的な停滞であり、今後さらなる拡大に向かっていく方向性を作りたいのです。

 太陽光の建設コストがさらに下がり、FITに頼らない買い取りスキームが実現していけば、再び普及に弾みが付き、数百GW程度の導入量も見えてきます。そうなれば一大産業に成長し、雇用をさらに増やせます。

再生可能エネルギー長期安定電源推進協会(REASP)の眞邉勝仁会長理事
クリックすると拡大した画像が開きます

 あるシンクタンクの試算では、国内の未利用地を活用すれば、500GW程度の太陽光開発の余地はあるとの見方もあります。耕作放棄地を制度的に利用しやすくしたり、鉄道線路沿いの利用など、まだまだ広大な未利用地は残されています。

ーー太陽光発電事業者による団体の活動では、FITの運用変更などによって既存発電所の事業性を損ねたり、未稼働案件の建設に不利になる変更への対応など、いわば「FIT案件の既得権」を守るための活動に熱心という印象もあります。

眞邉 発電事業者が中心の団体ですが、FITにとどまらない再エネの広がりを目指しており、それが会員間でも共通認識になっています。FIT後を見据え、長期的に再エネ発電に取り組もうとする事業者に加え、金融機関にも中心的に活動してもらいます。

 さらには旧・一般電気事業者など電力小売り事業者にも参画を打診しています。そうなると関心はFITスキームにとどまらず、より幅広い視点から長期的に再エネ普及を目指す活動になります。既存の太陽光発電事業者の団体とは異なるものになるでしょう。

 確かに、「発電側基本料金」のように既存の再エネ発電所に対し、想定していなかったコスト負担を求める制度変更は、これまでのファイナンスの枠組みを壊してしまう恐れがあります。再エネ開発事業者の立場からは好ましいものではありません。

 ただ、「発電側基本料金」について言えば、それによって送電系統が増強され、さらなる再エネ導入を促す側面が大きいことを考えれば、個人的には必要な制度変更とも理解しています。

 つまり、長期的な再エネ大量導入には必要な制度である半面、短期的にはファイナンスに影響する恐れがあり、難しい判断を迫られます。会員間でも意見が異なる可能性もあり、しっかりと議論していきたいと考えています。

  • 記事ランキング