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「再エネはFIT後にまた盛り返す」、再エネ長期安定電源推進協会・眞邉会長に聞く(page 3)

メガソーラービジネス・インタビュー

2020/03/27 01:00
金子 憲治=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
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ファイナンスセクターと連携

ーー金融機関の会員を積極的に募り、金融セクターとの連携を重視しているのも、REASPの特徴ですね。

眞邉 会員構成のイメージでは、40%が再エネ発電事業者で、その次に電力小売り事業者(PPS)と金融・インフラ投資法人がそれぞれ15%程度を想定しています。

 発電事業者と金融機関が一緒になって課題を解決していこうという方向性は、わたし個人のこれまでの経験によるものです。

 リニューアルブル・ジャパンを創業した2012年1月以前には、証券会社や投資銀行などで会社や立場を変えながら、海外で太陽光発電所の金融化に携わってきました。

 この時の経験を生かしてリニューアブル・ジャパンを設立し、国内で活用できるさまざまな金融手法を使い、再エネ発電所を開発・運営しています。2019年12月末までに103カ所で合計出力623MWの太陽光発電所を開発してきましたが、これを5年以内に1GWまで引き上げる計画です。

 創業当初の開発では、おもにプロジェクトファイナンスを活用することが多かったのですが、その後、国内でインフラ投資市場の環境が整ったことから、現在はファンドが所有し、公募、つまり東証インフラファンド市場への上場のほか、私募で資金調達する手法に変えてきています。開発した案件は、こうしたエクイティ調達手法をつかいながら売却し、所有しないのが基本です。ただ、O&Mを引き受けることで、開発した案件の運営に携わっています。

 つまり、案件開発からファイナンス、設計・施工から、運営・保守というトータルの流れを一気通貫で担っていけるのが特徴であり、強みになっています。大規模な再エネ開発は、ファイナンスと建設・運営が表裏一体なのです。

再生可能エネルギー長期安定電源推進協会(REASP)の眞邉勝仁会長理事
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 こうした経験も踏まえ、REASPの運営でも、金融機関との連携を重視しています。

ーーREASP設立の3つ目の目的に挙げた「国レベルの再エネ政策での課題」の例として、低圧事業用太陽光の問題を挙げました。

眞邉 実は、新団体の立ち上げに際して経済産業省と会合を持った時、経産省側から真っ先にこの問題を相談されたのです。低圧事業用太陽光は、膨大な数が稼働している一方で、設計・施工と運営の両面で、安全性や信頼性が十分に確保できていない案件もあると指摘されています。経産省としても、今後、この分野の小規模な事業用太陽光をいかに維持・管理して、安定電源化していくか、悩んでいるのだと思います。

 低圧事業用の案件は、リニューアブル・ジャパンとしては取り組んでこなかった分野ですが、太陽光発電事業者の団体として活動していく以上、われわれとしてできる範囲で取り組んでいきたいと考えています。

 実は、すでにリニューアブル・ジャパンで、低圧事業用太陽光への投資を検討しています。われわれは、公募か私募のどちらかで金融面の出口を確保できない発電所は手掛けません。ですから、われわれが購入できる可能性がある低圧案件の条件や設計の基準を示したり、定めたりすることはできます。

 また、現時点では投資対象にならない低圧案件の場合、どのように改善すれば、ファイナンスにも耐え得るのか、対策案などを提案できます。

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