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「バイオガス発電は地域の資源循環に貢献できる」、関連団体の事務局長に聞く

メガソーラービジネス・インタビュー

2020/06/03 17:00
金子 憲治=日経BP総合研究所 クリーンテックラボ
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メタン発酵で生み出した可燃性ガスを燃料にするバイオガス発電は、固定価格買取制度(FIT)では、買取価格・39円/kWhが維持され、また、地域活用電源として位置づけられる方向になるなど、一層の普及が期待される。バイオガス事業推進協議会の岡庭良安事務局長と、日本有機資源協会の嶋本浩治事務局長に、普及状況や今後の方向性などを聞いた。

バイオガス事業推進協議会の岡庭良安事務局長
日本有機資源協会の嶋本浩治事務局長

認定量は85MWを超える

ーーバイオマス発電にはさまざまな原料(燃料)があり、発電手法や規模も異なります。そうした中で、「バイオガス」による発電は、どのような特徴があり、現在、普及しているバイオガス発電にはどのような原料が多いのですか。

岡庭 「バイオマス」とは、動植物を起源とする有機性の資源のことで、農林業や畜産業などから排出される残渣(ざんさ)や食品工場や家庭から出る生ごみなどが代表的なものです。このうち、「バイオガス」による発電に使われる原料は、水分が多くて直接、燃やせない残渣、具体的には「家畜の排せつ物」や「下水汚泥」、そして「食品残渣」などです。

 これら湿潤系バイオマスは、木質チップなどのようにボイラー燃料としてそのまま燃やせないので、まず発酵槽で嫌気発酵してメタンを主成分とした「バイオガス」を発生させ、それを燃料にエンジン発電機を稼働させます。

バイオガス発電プラントの例
(出所:バイオガス事業推進協議会「バイオガス事業の栞 2019」)
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 日本のバイオガス発電は、先ほど例示した「家畜糞尿」「下水汚泥」「食品残渣」の3分野が、それぞれほぼ均等に導入量を増やしています。

 バイオガス事業推進協議会で把握している資料をベースに分析した2018年12月末のデータでは、発電設備の平均出力は、下水汚泥で523kW、家畜排せつ物で257kW、食品残渣で468kWとなっており、木質バイオマス発電のようなメガクラスの案件は少なく、比較的小規模になります。

ーー固定価格買取制度(FIT)の始まる前から、北海道などで家畜糞尿を使ったバイオガス発電の導入例がありましたが、FITによる導入促進の効果はありましたか。

嶋本 経済産業省が公開している2019年12月末時点のデータによれば、バイオガス発電の新規認定件数は221件で出力の合計は8万5395kW(85.395MW)になります。そのうちすでに導入された件数は182件で出力合計は6万2645kW(62.645MW)です。

 FIT開始以来、2019年3月末まで、毎年度15~30件のペースで認定件数が増加しました。FIT制度の効果は大きかったと考えています。しかし、2019年3月末~12月末の認定件数はわずか1件に留まりました。今後、認定件数の増加速度が鈍化していく可能性もあり、気がかりな点です。

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