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「認定失効制度でファイナンスが停止、早期の詳細設計を」、JSEC・東原代表理事に聞く

メガソーラービジネス・インタビュー

2020/07/15 05:00
金子憲治=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
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固定価格買取制度(FIT)の抜本的な見直しを規定する「再生可能エネルギー特別措置法・改正案」が6月5日に参院本会議で可決し、成立した。施行は2022年4月1日になる。今回の改正では、FITからFIP(フィード・イン・プレミアム)への移行のほか、一定期間を経ても稼働しない再エネ案件の認定を失効させる「認定失効制度」が盛り込まれた。具体的な制度の詳細は今後、省令などで定めるとしている。この新たな制度がメガソーラー(大規模太陽光発電所)の開発に大きな波紋を引き起こしている。再エネ発電事業者の業界団体である日本再生可能エネルギー事業者協議会(JSEC)の東原隆行代表理事に聞いた。

経済的な損失が大き過ぎる

「認定失効制度」は、電力系統の容量を押さえたままになっている長期未稼働案件を退場させることで、新たな再エネ案件の開発を促すため、との説明の下で導入されました。この制度によって、メガソーラー開発プロジェクトにどのような影響が出ているのですか。

一般社団法人・日本再生可能エネルギー事業者協議会(JSEC)の東原隆行代表理事
(撮影:清水盟貴)
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東原 「認定失効制度」の趣旨自体はたいへんに意義のあるものです。認定案件のなかには、計画だけで具体的な開発手続きなどに着手せず、系統を押さえているだけの案件や、権利の売買などで、事業者間を転々としている案件があるのも事実です。こうした認定案件を失効させることはたいへんに意義のあることです。

 しかし、「長期未稼働案件」といっても、すでに工事中の案件やプロジェクトとして動いている案件まで一律に期間を定めて失効させてしまうのは、影響が大きいと危惧しています。着工済み案件の認定が失効すれば、FITによる売電事業ができなくなり、それまでの投資が全く回収できません。開発事業者にとって、経済的な損失が大き過ぎます。

 すでにこうした「認定失効制度」によるリスクを懸念した金融機関のなかには、プロジェクトファイナンスによる融資の実行に慎重になっているケースもあります。実際にファイナンスのめどが立たずに開発が止まってしまったプロジェクトも出てきました。

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