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「波力発電は地産地消に最適、2050年に日本で1GWの事業化の可能性」、東大・林教授に聞く

メガソーラービジネス・インタビュー

2020/08/05 05:00
加藤 伸一=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
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 神奈川県平塚市にある平塚新港の防波堤の前で、反射波を利用した新しいタイプの波力発電設備が稼働した。2020年度末までの予定で実証試験を実施する。この試みを主導している東京大学 生産技術研究所 海中観測実装工学研究センター長の林 昌奎(りむ・ちゃんきゅ)教授に、波力発電の現状や今後の可能性について聞いた。

――平塚新港で実証を始めた波力発電の仕組みや特徴を教えてください。

東京大学 生産技術研究所の林 昌奎教授
1986年2月にソウル大学工学部造船工学科卒業、1989年8月に同工学科修士課程修了、1994年9月に東京大学 大学院船舶海洋工学専攻 博士課程修了(工学博士)、以降、東大 生産技術研究所の講師、助教授、教授を歴任。波力発電には2008年以降、本格的に取り組む(出所:日経BP)

 防波堤の前の水深が3~6mの場所に置き、波高1.5m時の定格出力が45kWで、変換効率は50%、設備利用率は35%という、洋上風力発電よりも高い効率を想定しています。防波堤に向かってくる波(入射波)だけでなく、防波堤から跳ね返ってくる波(反射波)も発電に使う仕組みに特徴があります。

 波によって波受板(ラダー)が揺れて、鉛直に配置した油圧シリンダーを動かして発電の動力とします。波受板は、大型でも軽量なアルミとゴムの複合によるもので、波が弱い時のエネルギー利用効率が高い特徴があります。逆に、波が強い時にはゴムの変形によって、発電には使いきれない分の波エネルギーを逃す構造です(図1)。

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図1●「平塚波力発電所」
(出所:最上段と3段目は平塚市、そのほかは東京大学 生産技術研究所)
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