特集

「再エネ比率30%はスタートライン」、自民党再エネ議連・柴山会長に聞く(page 2)

メガソーラービジネス・インタビュー

2020/09/10 05:00
金子憲治=日経BP総研 クリーンテック研究所
印刷用ページ

新型コロナで追い風も

経済同友会が今年7月に、2030年のエネルギーミックスで「再エネ比率40%」を提言するなど、「40%」という目標値も、もはや普通に議論されるようになりました。

自由民主党・再エネ普及拡大議員連盟の柴山昌彦会長・衆議院議員
(撮影:清水盟貴)

柴山 いまや「44%」という目標の提言は、突飛なものではなくなってきました。次期エネルギーミックスの目標を巡る議論では、24%のさらなる引き上げは不可避です。「30%」は最低ラインで、そこから、どこまで上積みするか、という議論になると思います。

とはいえ、国内の再エネ産業は、これまで普及を牽引してきた太陽光については固定価格買取制度(FIT)による買取単価が下がる一方、次の支援策であるFIP(フィードイン・プレミアム)の詳細が見えず、暗い雰囲気も漂っています。

柴山 確かに、世界的に再エネはFITからの自立の時期に入り、欧州でも苦戦しているという声を聞きます。しかし、温暖化対策の強化やESG(環境・社会・ガバナンス)投資を推進する流れの中で追い風が吹いており、再エネの未来は決して暗いものではありません。

 新型コロナウイルスからの経済復興の中で、こうした方向性はさらに強まり、石炭火力へのダイベストメント(投資撤退)、非化石電源への投資が活発化しています。

 国内の太陽光について言えば、これまで成長を支えてきたFITが見直され、FIPに移行していくのは、むしろポジティブに捉えてほしいと感じています。発送電分離など電力システム改革が進んできた中、再エネが主力電源として普及していくうえで必要なことです。

 FIPによって再エネが市場連動型に移行することで、市場価格の高いときに積極的に売電することが可能になり、それが結果的に需給バランスを改善することになります。

エネルギー政策の議論では、FITの賦課金に象徴される「再エネのコスト」が問題になっており、特に国内の再エネは海外に比べて高いことが課題です。

柴山 再エネのコストで、常に問題にされる国民負担(電気代に加算される賦課金)について言えば、将来的には必ず減っていくものです。ただ、当面は、上がっていくため、政府は長期未稼働案件に適用する買取価格を変えるなど、新たな措置で対応しています。

 ただ、こうした事後的な措置が本当に合理的なものなのか、きっちりと監視していく必要はあると感じています。再エネ議連では、再エネ事業者から丹念に状況をヒアリングし、政策担当者に伝えていくつもりです。

 再エネのメインストリームである太陽光と風力に関しては、世界的に発電コストは着実に下がっており、国内でもまだまだコスト競争力は高まっていくと見ています。発電コストが下がり、FIPによって市場対応力が増していくことで、主力電源としてさらなる飛躍も可能になると期待しています。

  • 記事ランキング