特集

「再エネ比率30%はスタートライン」、自民党再エネ議連・柴山会長に聞く(page 4)

メガソーラービジネス・インタビュー

2020/09/10 05:00
金子憲治=日経BP総研 クリーンテック研究所
印刷用ページ

バイオマスは地産地消型に

バイオマス発電の位置づけをどのように捉えていますか。

自由民主党・再エネ普及拡大議員連盟の柴山昌彦会長・衆議院議員
(撮影:清水盟貴)

柴山 バイオマス発電では現在、海外からの輸入チップなどを使った発電専用のプラントが増えています。しかし、将来的には、地域の林業と連携し、間伐材などを利用した地産地消型で、熱も利用する小規模なタイプを目指すべきと思います。

 現在、国の審議会でも海外バイオマスのCO2削減効果が検証されていますが、海外材の中には運搬時のCO2排出を考慮するとカーボンニュートラル(炭素中立)でないものもあることが示されています。そうなると、温暖化対策としての効果も怪しくなります。

 北海道で起きたブラックアウト(系統全域停電)では、大規模火力による集中型電力系統の限界が明らかになりました。今後は、地域分散電源がレジリエンスの視点からも重要になります。自家消費型太陽光や地産地消のバイオマス発電は、こうした方向性にもマッチしており、そこにビジネスチャンスもあります。

2050年まで見据えると、日本を含む先進国は、温室効果ガス80%削減という目標にもコミットしています。しかし、日本政府は、そこに至る具体的な筋道を示していません。

柴山 「2050年80%削減」の世界では、ゼロエミッション電源は、2030年の44%を、さらに2倍に増やす必要があります。原子力に依存するには、いまの軽水炉ではなく抜本的に安全性に優れた次世代型が求められ、いくつか研究も進んでいます。こうした原子力の革新を否定するわけではありませんが、2050年段階でも商用化は難しいと見ています。

 さらによく指摘されますが、使用済み核燃料を再処理した後に残る高レベル放射性廃棄物をどうするのか、という問題を解決しないと、日本が目指している核燃料サイクルは維持できません。そうなるといずれ原発は運転できなくなります。

 こう考えると、やはり消去法で再エネに対する期待は、きわめて大きいと思います。一方で、開発余地の大きい太陽光、風力は、自然変動電源なので、これらを主体に系統を安定運用するのは難しいのが実態です。

 こうした壁を乗り越えるのが、蓄電池の低コスト化です。蓄電池も含めて、太陽光と風力のコストが競争力を持つまでになれば、市場原理のなかで、再エネが桁違いに増え、原発に依存せずにゼロエミッション電源を8割以上に高められる可能性も出てきます。

  • 記事ランキング