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「山倉ダム」「ポストFITの水上太陽光」、シエル・テール日本法人・森社長に聞く(page 2)

メガソーラービジネス・インタビュー

2020/10/07 05:00
加藤 伸一=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
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 日本が本気で再エネを増やして使いこなしていくのなら、出力抑制を課す電源の順序や度合いを、より再エネが有利になるように変えていくべきです。

 また、再エネの中では、風力発電、とくに洋上風力発電は、限られた企業にしか実現できません。地熱発電も別の面で難しさを抱えています。いずれも、増えても限られた範囲にとどまりそうです。

 大きく増える余地が残っているのは、やはり太陽光発電でしょう。土地には限りがありますから、水上でどこまで広げられるのか。そこにわれわれが寄与できます。

シエル・テール・ジャパンの森社長
(出所:日経BP)
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 現在の日本の水上太陽光発電所は約180カ所・合計出力約250MWです。このうち7割の約130カ所・約180MWが、シエル・テールのフロートを活用した案件です。ここには、シエル・テール・ジャパンが開発・運営している31カ所・出力約41MWの発電所を含みます。

 われわれの感触では、活用できる水面は多く残っています。例えば、ため池を活用して自社で開発しようとした案件の中でも、出力抑制の度合いが不透明、連系負担金が高額で見合わないといった理由で事業化を見送ったことがあります。

 こうした案件は、出力抑制の度合いや連系する送電線の空き容量の見直し次第で、事業化できる可能性があります。

 水上太陽光発電所の事業化は、技術面、金融面が大きく左右します。

 技術面については、最多の案件数といえるレベルの経験があり、それが強みです。フロートそのものだけでなく、フロートを連結したアイランドの構成、アイランドを係留するためのアンカー(池底に打ち込む碇)まで一貫して設計し、助言できます。

 金融面については、現在は「11円/kWh(税抜き:以下同じ)以下の売電単価で成り立つ事業にできるのか」ということになります。これも、水上太陽光発電所については、われわれは技術力と捉えています。

 顧客が事業性を満たせる水上太陽光発電設備のコストを実現できるように調整できる力が、技術力の1つです。

 われわれは、自社で開発する水上太陽光発電所に関して、11.5円/kWhの売電単価で出力2.5MWの案件を入札で取得済みです。今年の入札にも参加するつもりです。

 このように、現時点では実現できないかもしれないけれど、少し後の着工までにはそのコストに対応することを可能にする力があります。これも、他のフロートメーカーに比べると、ダントツの実力ではないかと自負しています。

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