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「PPAは最終的にはバーチャル型に移行へ」、中山・京大特定講師(page 2)

メガソーラービジネス・インタビュー

2020/10/22 05:00
金子憲治=日経BP総合研究所 クリーンテックラボ
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世界35カ国で導入済み

ーー海外では現在、コーポレートPPAは、どの程度、広がっているのですか。

中山 IRENA(国際再生可能エネルギー機関)の集計によると、コーポレートPPAは、北米と欧州を中心に世界35カ国で導入されています。北米では、2017年に2.78GWもの新規コーポレートPPAが締結されました。2018年の第1四半期だけでも2.04GWが新規に契約されていることから、今後さらに増える可能性があります。

 欧州では、北欧諸国の企業の間で、コーポレートPPAによる再エネ調達が増えており、そのほとんどが風力発電になっています。2017年には約800MWの風力がコーポレートPPAによる契約対象になりました。

京都大学大学院経済学研究科の中山琢夫特定講師
京都大学大学院経済学研究科の中山琢夫特定講師
(撮影:日経BP)
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 北米でコーポレートPPAを牽引しているのはIT系企業で、北欧での導入例も、こうしたIT企業がデータセンターを北欧に移したのに伴い、施設の空調などに必要な電力コストを抑えるために導入したケースも多いようです。

ーーここ数年、日本国内で「PPAモデル」というと、需要家(住宅・企業)の屋根上に、発電事業者が太陽光パネルを設置して運営し、需要家に電気を販売するスキームを指すこと多く、需要家と発電事業者以外の「第三者(投資家など)」が設備を保有することから「第三者保有(TPO)モデル」と呼んだり、発電事業者と需要家がPPAを締結することから、「PPAモデル」と呼んだりしています。

中山 国内で広まっている屋根上太陽光の「PPAモデル」は、需要家の敷地(オンサイト)に再エネ発電設備を設置してPPAを締結し、電気を販売する「オンサイト型PPA」になります。このスキームは、需要家が太陽光パネルの設置場所を提供することで、容易に実現できる自家消費モデルの1つとも言えます。

 実は、こうした「日本版PPAモデル」は、世界的なPPAの流れから見ると、「物理的PPA」のオンサイト型モデルと、分類できます。

 海外では再エネを対象にしたPPAの仕組みは多様化していますが、大きく分けると「物理的(Physical)PPA」と「仮想的(Virtual)PPA」に分けられます。これら2タイプは、同じ「PPAモデル」といっても、その仕組みはかなり違っています。

 「物理的PPA」では、再エネ電源からの電気そのものと環境価値を一体のものとして直接、需要家である企業に販売する仕組みで、買い手の需要家は、環境価値のある電気によって、事業を運営し、温室効果ガスを削減します。

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