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「再エネ比率40%目標で民間投資の促進を」、経済同友会・副代表幹事石村氏に聞く

メガソーラービジネス・インタビュー

2020/12/24 05:00
金子 憲治=日経BP総合研究所 クリーンテックラボ 上席研究員
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経済同友会の環境・資源エネルギー委員会で2019年度・委員長を務めた石村和彦氏(AGC取締役)
(撮影:清水真帆呂)

経済同友会は2020年7月、「2030年再生可能エネルギーの電源構成比率を40%へ」と題した提言を公表した。これは、政府の掲げるエネルギーミックス(あるべき電源構成)で設定した「2030年・再エネ比率22~24%」を2倍近く引き上げることを意味する。経済同友会の環境・資源エネルギー委員会で2019年度・委員長として、この提言をまとめた経済同友会・副代表幹事の石村和彦氏(AGC取締役)に、「再エネ比率40%」に至った背景などに関して聞いた。

すでに昨年「2050年実質ゼロ」を提唱

ーー菅義偉総理大臣は今年10月、「2050年までに温室効果ガスの排出をゼロにする」と宣言しました。バイデン米次期大統領も、公約で「遅くとも2050年に排出実質ゼロ、2035年電力脱炭素化」を掲げています。「脱炭素」を目指す動きが急速に高まっています。

石村 経済同友会では、菅総理大臣の「2050年実質ゼロ」宣言の前から、経済社会の持続可能性を高める視点から、脱炭素に向けて提言してきました。

 まず2018年1月には「温室効果ガス排出削減に向けて」と題して、カーボンフットプリントの活用や企業部門と家計部門との間での温暖化対策費用負担の構造改革について提言し、最終的に便益を享受する需要サイドである消費者に対して、消費税をモデルに温暖化対策の費用負担を求める「カーボンプライシング」などを提唱しました。

 さらに2019年2月には「パリ協定長期戦略の策定に向けて」として、2030年までと2050年以降に向けて果たすべきことについて提言し、その中に「2050年頃の温室効果ガス正味ゼロ」を盛り込んでいました。

 今年7月に公表した「再エネの電源構成比率40%へ」との提言は、昨年に提示した2030年までの課題のうち、「再エネの大量導入」に絞って、さらに踏み込んだものです。

ーー国内の経済団体は温暖化対策に取り組みつつも、再エネの積極的な活用については、エネルギーコスト上昇を理由に、必ずしも前向きでない印象があります。そうしたなかで、「2030年40%」という挑戦的な目標を公表したことは、英断に思います。

石村 こうした思い切った導入目標を掲げることに関しては、メンバーのなかでも様々な議論がありましたが、以下に挙げる3つの理由から「再エネ比率40%」は必要との結論に至りました。

 まず1つ目は、気候変動に対する危機感が世界中で高まっており、欧州を中心に再エネの主力電源化が急速に進みつつあったことです。2つ目は、国内におけるエネルギー安全保障の視点からです。これは新型コロナウイルスの世界的流行で再認識されました。多くのエネルギー源を輸入に依存する日本にとって、物流の途絶リスクが改めて顕在化しています。

経済同友会・副代表幹事の石村和彦氏(AGC取締役)
(撮影:清水真帆呂)
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