特集

「日本の提案で“デジタルパワープラント”へ」、タイの石炭グループの太陽光(page 2)

メガソーラービジネス・インタビュー

2021/01/27 11:38
加藤 伸一=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
印刷用ページ

 バンプージャパンの太陽光発電事業の強みは、安定した財務力や資金力、それを生かしたプロジェクトファイナンスの組成で実績があります。プロジェクトの遂行力にも自信があります。

 現在でも約20人という限られた人員ですが、2020年は4件のプロジェクトを並行して進め、このうち2件、山形県川西町の出力約25.4MW(関連ニュース)、福島県矢吹町の約9.83MW(同ニュース)は年内に運転を開始しました(図2)。

図2●山形県川西町の約25.4MW(左)、福島県矢吹町の約9.83MW(右)
クリックすると拡大した画像が開きます
図2●山形県川西町の約25.4MW(左)、福島県矢吹町の約9.83MW(右)
クリックすると拡大した画像が開きます
図2●山形県川西町の約25.4MW(左)、福島県矢吹町の約9.83MW(右)
(出所:バンプージャパン)

 残りの2件、福島県白河市の約10MW(関連ニュース)、宮城県気仙沼市の約20MWも、2021年に稼働する予定で、プロジェクト遂行能力の高さを示していると思います。

 これらは、立地する地域からの信頼を得られなければ、実現できません。地域との連携もとくに重視しています。

――安定した財務力や資金力が強みということですが、かつてのアジア通貨危機は、財務基盤などに影響しなかったのですか。

 本国のタイは、アジアの他の国々と同じように、1998年に起きた通貨危機の影響を受けました。この時に、Banpuの石炭関連のアセット(資産)は、オーストラリアなどの海外で多く所有していたこと、さらにそれらの地域がドルベースだったことが、通貨危機の影響を相対的に受けにくくしました。

 通貨危機を切り抜けるために受けた融資なども、きっちりと返済してきました。

 この時の融資元は、ほぼ日本の大手金融機関、現在のメガバンク3行でした。こうした経緯も、日本のメガバンクからの信用につながっています。

 また、日本で積極的に投資するタイの企業は限られているので、タイの金融機関の支援も受けやすいのです。

 このような金融機関の協力を得て、日本で開発や取得した太陽光発電所はすべて、プロジェクトファイナンスを組成して資金を調達しています。

――日本で開発・取得済みの太陽光発電所は、どの程度の規模になっていますか。

 稼働済みが11カ所・合計出力約210MW、建設中が2カ所・約30MWとなっています(図3)。

図3●日本における稼働済み・建設中の太陽光発電所
図3●日本における稼働済み・建設中の太陽光発電所
(出所:バンプージャパン)
クリックすると拡大した画像が開きます

 開発や取得のプロセスでは、大きく3つに分けられます。まず、他社が開発中に取得した案件です。稼働済みの案件では、兵庫県淡路市の約8MW、滋賀県日野町の約3.5MW(関連ニュース)、茨城県常陸大宮市などの合計約10MWの案件が該当します。

 次に、稼働後に取得した案件です。稼働済みの案件では、山形県川西町の約25.4MW、宮城県大郷町の約28.8MW、福島県矢吹町の約9.83MW、北海道室蘭市の合計約3.4MW、佐賀県武雄市と佐賀市の合計約3MWが該当します。

 ここにではさらに2タイプあり、川西町、大郷町、矢吹町は「開発委託」案件で、室蘭市、武雄市・佐賀市は投資ファンドからまとめて購入した案件です。

 3つ目が、自社で当初から開発した案件です。北海道むかわ町の17MW、福島県会津若松市での20MWの案件が該当します。

 このほか、開発中の案件で、他社との共同事業体の形で開発している山形県飯豊町の200MWがあります。

  • 記事ランキング