特集

「国内太陽光市場は一時停滞も再び拡大へ」、ブルームバーグNEF菊間氏・黒崎氏に聞く(page 5)

メガソーラービジネス・インタビュー

2021/04/14 05:00
金子憲治=日経BP総研 クリーンテックラボ
印刷用ページ

「海外再エネ水素」より「国内再エネ水素」が割安

ーー政府はエネルギー基本計画の見直しの中で、2030年に電源構成の目標について、検討を始めました。いまの計画では、再エネ22~24%、そのうち太陽光だけで7%ですが、どこまで上乗せされるかが注目されます。

菊間 国内の再エネ比率は、いまの政策のままでも2030年には34%程度まで導入が進むと見込んでいます。そのうち、太陽光で13%、風力8%になります。太陽光は現時点ですでに目標の7%を超えており、2030年には自家消費型の案件を入れると13%まで入ってくると予測しています。

 国内の複数団体が、2030年の再エネ比率目標を40%など、思い切って上乗せすべきと提言しているのは、こうした状況を踏まえていると思います(図5)。

図5●経済同友会による2030 年電源構成の試算
(出所:経済産業省資料をもとに経済同友会事務局作成)
クリックすると拡大した画像が開きます

黒崎 2050年カーボンニュートラル目標は、再エネ推進には追い風ですが、2030年時点では原発も13~14%程度の比率になりそうです。脱炭素の達成という点では、今後新設計画のある約7GWもの石炭火力をどうするのか、という問題があります。世界の脱炭素への動きに取り残されないためには、今からマインドセットの必要があると思います。

 カーボンニュートラルは、もはや国際競争になっており、日本企業が排出係数の低い国に移転せざるを得ない状況になってからでは間に合いません。脱炭素、再エネ推進は、環境政策というより経済・産業政策になっているという認識を持つべきです。

ーー日本が低コストで脱炭素を達成するには、海外の再エネで製造した水素やアンモニアを輸入して燃料として利用することが必須との見方もあります。

黒崎 我々の試算では、国内の再エネも今後の大量導入により、かなりコスト低下の可能性があり、そうなれば、海外の再エネで製造した水素やアンモニアを日本に運んでくるよりも、国内の再エネで製造した方が安くなると見ています。

 エネルギー安全保障の観点からも、脱炭素を海外の再エネに依存するのは避けるべきです。そうした点からも、再エネ比率の目標を大幅に引き上げて早急にコストを下げ、水素やアンモニア生産の経済性を高めて、商業運転に移行させることが重要になります。

  • 記事ランキング