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SBエナジー創業10年、三輪社長に聞く、次の一手(page 2)

メガソーラービジネス・インタビュー

2021/05/26 05:00
金子憲治=日経BP総合研究所 クリーンテックラボ
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天候予測のノウハウも

三輪 こうした再エネ供給者として役割は、ソフトバンクグループ内でも求められていきます。データセンターなどを持つソフトバンクグループは、エネルギー多消費型の事業構造ともいえ、国内グループ企業の電力消費量は年間1.7TWh(17億kWh)に上ります。一方、SBエナジーの再エネ電源が生み出す電力は、建設中の案件を含めれば1.1TWh(11億kWh)を超える水準に達しており、規模的にはグループ企業の電力需要に近づいています。

 さらに言えば、こうした再エネ電力のダイレクトな供給は、ソフトバンクグループが携帯電話事業などでサービス提供している企業も含めた形で、供給先を増やしていくという筋道も考えられます。

ーー自己託送制度やコーポレートPPAスキームによる電力供給では、需給を一致させるバランシング業務を伴います。こうした業務には、高度なノウハウが必要ですが、こうした分野にも乗り出していくのですか。

SBエナジーの三輪茂基社長
SBエナジーの三輪茂基社長
(撮影:清水盟貴)
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三輪 需給管理は、2016年から手掛けているVPP実証事業でも、大きなテーマになっており、さまざまな形で取り組んでいます。例えば、米国のクライマセル(ClimaCell、現 Tomorrow.io)という高度な天候予測技術を持つベンチャー企業に出資しました。同社は、さまざまなデバイスが発する電波の通信状態と気象観測データを元にした緻密な天気予報システムを実現しています。

 天気予報の精度が上がると、太陽光や風力発電の発電量予測とともに、人の行動パターンを読むことで電力需要の予測精度も上がります。

 また、実際の自己託送におけるバランシング業務に関しては、この分野で実績のあるエコスタイルと協業することで、ノウハウを蓄積していきたいと考えています。

 将来的には、こうして得た知見に、ソフトバンクグループが持つ基地局の蓄電池、そして今後普及する電気自動車(EV)など、まさに「Watts」「Bits」「Mobility」の「BMW戦略」の視点から、分散エネルギーデバイスをICTで制御することで、大量の再エネを活用した需給バランシングのノウハウを高めていくことを目指します。

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