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SBエナジー創業10年、三輪社長に聞く、次の一手(page 5)

メガソーラービジネス・インタビュー

2021/05/26 05:00
金子憲治=日経BP総合研究所 クリーンテックラボ
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地熱発電の資源調査も

ーーIT企業の強みを生かした川中・川下への展開に取り組むとして、これまで成長の軸だった再エネ開発については、どんな戦略を持っていますか。ソフトバンクグループの顧客も含めた需要家への再エネ供給も視野に入れれば、新規の再エネ開発は必要に感じます。

三輪 まずメガソーラー(大規模太陽光発電所)はそろそろ立地制約が壁になる、との見方もありますが、そうは思いません。まだまだ、開発に適した土地はあると思います。例えば、政府もすでに検討を始めましたが、荒廃農地の転用を促すことで、比較的低コストで開発できる平坦な用地が大量に確保できる可能性もあります。産業構造の変化などにより、遊休地になっていく工業用地もさらに増えていくかもしれません。

 太陽光発電は、FIT終了で新規開発から撤退する企業も出てくると思いますが、FIT後こそ真価が問われると思います。これまでもEPC(設計・調達・施工)サービス企業を置かず、分離発注で建設コストを下げてきましたが、今後も継続的にコストを下げていくことで、コーポレートPPAなどFITによらないスキームで太陽光の新規開発に取り組みます(図2)。

図2●分離発注した「ソフトバンク三重志摩阿児ソーラーパーク」
図2●分離発注した「ソフトバンク三重志摩阿児ソーラーパーク」
(出所:SBエナジー)
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 加えて、長期的に開発余地の大きい再エネとして、地熱発電と洋上風力に関心を持っています。地熱に関しては、JOGMEC(石油天然ガス・金属鉱物資源機構)の支援を受けて掘削による地熱資源調査を実施しています。また、地下の高温岩盤に水を圧入して蒸気を取り出す次世代型の地熱発電にも注目しています。

 地熱や洋上風力は、メガソーラーや陸上風力に比べると、投下する総資本が大きく、時間軸も長くなります。その結果、資本力のある旧一般電気事業者や商社、ゼネコンなどがチームを組んで開発することが多くなります。いずれにせよ、SBエナジーがリードしてきた分野ではないので、開発競争から脱落せずについていきたいと考えています。

 また、海外では、アジア太平洋を中心にモンゴル、台湾で再エネ開発に取り組んでおり、アフリカや中東ではファンドに投資しています。アジアの砂漠などに設置した風力や太陽光から日本に送電するアジアスーパーグリッド構想は引き続き、韓国電力などと事業性調査を行っており、地道に進めています。海外での水素製造も含めて、再エネのグローバルチェーンを目指しています。

SBエナジーの三輪茂基社長
SBエナジーの三輪茂基社長
(撮影:清水盟貴)
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