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「ノンファーム型で"つなげない"を減らす」、東電PG岡本副社長に聞く(page 2)

メガソーラービジネス・インタビュー

2021/06/17 12:00
金子憲治=日経BP総合研究所 クリーンテックラボ
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「募集プロセス」から変更も

ーー国の有識者会議で公表されたノンファーム型接続での契約申し込みと接続検討の件数、容量を見ると、東電PG管内が突出しています。その背景には、そうした先行的に取り組んできた背景があったからですか。

岡本 従来の接続ルールでは、あまりにも高額な工事費負担金を請求せざるを得ない発電事業者に対しては、回答を保留して待ってもらっていたケースもありました。ノンファーム型接続の開始と同時に比較的、多くの申し込みがあったのはそうした事情からです(図1)。

図1●ノンファーム型接続の受付状況。全国展開の始まった2021年1月13日以降1カ月間の接続検討の状況
図1●ノンファーム型接続の受付状況。全国展開の始まった2021年1月13日以降1カ月間の接続検討の状況
(出所:経済産業省)
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 全国的に見て東電PG管内でこうした状況になりやすかったのは、関東地方は比較的、平地が多く、もともと火力発電所のあったエリアが太陽光発電所の適地にもなっているという特徴があります。試行的に導入した千葉・鹿島エリアが典型です。

 基幹系統に複数の火力発電所がつながっているようなケースは、それだけで系統の容量はかなり埋まってしまいます。しかし、必ずしもすべての火力発電が常時、稼働しているわけではないので、実際の潮流を見ると混雑する時間は限定的です。しかし、従来のルールでは空きがなければ増強が必要で、その場合、工事費負担金は高額になりがちでした。

ーー設備増強費用が高額になる場合、「募集プロセス」という枠組みで、複数の接続希望者が共同で負担するという方法を採用するケースもあります。このスキームも東電PGが先行的に導入した経緯があります。

岡本 先ほど述べたように、従来の仕組みだと、たまたま空き容量を超えた事業者に増強費用を全額請求することになるので、乗り合いバスのように複数の接続希望者を募って共同で負担してもらうという発想が「募集プロセス」です。群馬や茨城など太陽光の接続が集中しているようなエリアで導入が始まりました。

 ただ、募集プロセスにも限界があります。例えば、基幹系統を増強しようとすると、住宅密集地の上になるため難しく、代案として地中ケーブルにすると、数十㎞もの地下埋設になり、共同で負担しても1社何十億円もの負担で、しかも完成まで10年などというケースです。こうした場合、募集プロセス自体が成立しないこともありますが、ノンファーム型接続であれば、それほど待たなくでも接続できます。

 実際、すでに進めていた募集プロセスのなかには、ノンファーム型接続という選択肢も出てきたことから、ファーム型でいくのか、ノンファーム型に変更するのかに関し、参加者に諮っている事案もあります。

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