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「ノンファーム型で"つなげない"を減らす」、東電PG岡本副社長に聞く(page 4)

メガソーラービジネス・インタビュー

2021/06/17 12:00
金子憲治=日経BP総合研究所 クリーンテックラボ
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ローカル系統でも試行

ーー東電PGでは、基幹系統(上位幹線)に加え、ローカル系統(地域内送電系統)単位でのノンファーム型接続も試行的に取り組むと発表しました。基幹系統とローカル系統では、どんな違いがあるのですか。

岡本 すでに述べたように、ノンファーム型接続では、あらかじめ一般送配電事業者が系統混雑の状況を予測して、出力制御のスケジュールを作成します。そのためには、対象となる系統につながる電源からの出力と需要の状況を予測する必要があります。

 こうした予測には、天気予報の精度が重要になります。大雑把にいうと、対象となるエリアの面積が広くなるほど、天気予報の精度は高まる傾向があります。日頃の天気予報を思い浮かべてみるとイメージできますが、市町村単位の予報よりも、都道府県単位での気象情報の方が当たる確率が高くなります。

 例えば、ノンファーム型接続の対象となった基幹系統である鹿島系統(電圧27万5000V)は千葉県と茨城県にまたがる18市町村が対象の広範な地域になります。これに対して、電圧15万Vや6万Vのローカル系統では、1つの系統は市や町、区レベルになります。

 ノンファーム型接続をローカル系統単位で適用するには、こうした狭いエリアでの天気を予測する必要があり、出力や需要を保守的に推定しつつも出力制御量を減らすという観点から、運用上の難易度が上がります。それでも、すでに空きがなくなったローカル系統も増えており、今回、試行的に実施することを国と電力広域的運営推進機関に提案し、認められました。実証プロジェクト通じてノウハウを蓄積していく予定です。

ーーローカル系統よりさらに下位となる配電系統(6600Vの高圧配電網)へのノンファーム型接続の適用を望む声も出てきました。

岡本 配電系統ともなるとさらに対象エリアが小さくなり、住所でいうと●丁目ぐらいの広さになることもあります。ここまで狭い範囲になると正確に天気予報を当てるのは容易ではなく、ノンファーム型接続の運用もかなり難しくなります。

 海外では、すでにノンファーム型接続の考え方が導入されていると述べましたが、適用されているのは、基幹系統が中心です。国内でも、まずは基幹系統でのノンファーム型接続を軌道に乗せつつ、試行的にローカル系統まで広げ、ノウハウを蓄積していく方針です。

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