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「既存発電所のロス解消だけで300億円超の増収」、オリックスの太陽光向けAM・O&M会社に聞く(page 3)

メガソーラービジネス・インタビュー

2021/06/25 18:30
加藤 伸一=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
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――OREMでは今後、発電所の運用をどのような姿に変えていくのですか。

 発電設備の状態が見え、異常も初期や兆候の段階で解消して設備の能力をフルに発揮できる状態を継続できるメガソーラーで、翌日や1時間後、30分後といった発電量を高精度に予測できるようにしていきます。気象条件だけが変動要因になるような、理想的な状況を目指しています(図6)。

図6●高精度に発電量を予測し、蓄電池と組み合わせて安定した電源に
図6●高精度に発電量を予測し、蓄電池と組み合わせて安定した電源に
(出所:オリックス・リニューアブルエナジー・マネジメント)
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 これが実現すると、太陽光発電を既存の電源と同じように活用できるでしょう。電力会社に高精度な発電量の予測を提供できれば、火力発電所の予備力の幅を絞ることに寄与できます。

 蓄電池を調整力や予備力として使う場合にも、太陽光発電を高精度に予測できれば、適切な場所に最小の規模で導入しつつ、最大の効果を上げられます。既存の電源によるサポートを減らすことができ、社会インフラのコスト削減につながります。

 こうした高精度の発電予測は、電力購入契約(PPA)向けの太陽光発電所でも重要です。工場などが供給先の場合、土日祝日は休業していて消費電力が大きく下がる場合があります。この時に、市場で売電しても機会損失が少なく、かつ、ペナルティの支払いを抑えるためには、高精度の予測が必須だからです。

 こういった需要に向けて、2025年ころに、高精度な発電量予測サービスを提供できるようにしたいと考えています。

 こうしたあるべき姿を実現するのは、これまでの取り組みの積み重ねです(図7)。

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図7●段階的にあるべき姿に近づける
図7●段階的にあるべき姿に近づける
(出所:オリックス・リニューアブルエナジー・マネジメント)
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 まず、発電設備の状態を細かく把握した上、できるだけロスがなく能力をフルに発揮できる状態を保つこと。例えば、ドローン点検やI-V(電流・電圧)特性の測定などを定期的に実施し、異常のある回路や太陽光パネルを早期に発見して正常化し、雑草もこまめに刈り、パネルは年1回洗浄しています。

 ほぼすべての発電所で年1回は洗浄することで、規模の効果が働きます。一般的な洗浄サービスの40万円/MWというコストに対して、OREMでは30万円以下/MWまで下げており、これは国内最安だと思います。

 次に、遠隔監視システムを工夫して設備状態の比較や、異常を発見しやすくしたことです。異常箇所の特定だけでなく、症状や原因の推測、深刻度の診断、異常解消の費用対効果などまで自動で把握できるようになっています(関連コラム:自動分析で「季節性のトラブル」も発見、対策の費用対効果まで提示)。

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