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風力急増で「系統電圧の変動」顕在化、求められる対策は?(page 5)

九州最大ウインドファームが導入した「SVC」の機能と役割

2021/08/19 22:30
金子憲治=日経BP総合研究所 クリーンテックラボ
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ノンファーム接続で重要性増す

 実は、太陽光発電所のPCSは、SVCと同様にインバータによって直流を交流に変換しており、太陽光パネルが発電した有効電力のほか、無効電力を発生させることもできる。このため、メガソーラーの場合、一般送配電事業者から要請された電圧安定化制御の内容によっては、既存のPCSの持つ機能で対応することもある。

 一方、風力発電の場合、各風車に内蔵されたPCSの機能は限定的で一般送配電事業者の要請に応えるのは難しいという。ここ数年、風力発電プロジェクトでSVCの併設が増えているのは、そのためという(図9)。

図9●風力発電設備のタワー内部にPCS、変圧器、リングメインユニットが収納されている
図9●風力発電設備のタワー内部にPCS、変圧器、リングメインユニットが収納されている
(出所:日経BP)
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 ただ、メガソーラーの場合も、既存のPCSで対応しきれないほどの電圧安定化を求められる例も出てきた。また、太陽光向けPCSが無効電力を発生させる場合、その分だけ、本来なら売電できる有効電力が減ってしまうため、収入が減少するという課題がある。

 加えて、今後再エネのノンファーム型接続による系統連系が急増していくため、多くの送電線で、風力や太陽光からの送電量がさらに増え、電圧が不安定になる可能性が高い。そうなると、連系協議の場で、SVCの設置を求められるケースが増えそうだ。

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