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「ポジティブゾーニング」で再エネ適地を確保、環境省・小笠原課長に聞く(page 2)

メガソーラービジネス・インタビュー

2021/09/28 05:00
金子憲治=日経BP総合研究所 クリーンテックラボ
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自治体が再エネ開発でワンストップ対応

野立て型のメガソーラー(大規模太陽光発電所)は、地域社会や自治体から反対を受けるケースが出てきました。「地域共生型再エネ」はどんな形で推進しますか?

環境省・地球温暖化対策課の小笠原 靖課長
環境省・地球温暖化対策課の小笠原 靖課長
(撮影:清水盟貴)
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小笠原  改正地球温暖化対策推進法(改正温対法)を円滑に運用することが軸になります。改正法ではまず、自治体が意欲的な再エネ目標を定量的に設定した上で、市町村が「促進区域」を設定し、自治体が関与しつつ太陽光の適地を確保することを促します。

 「関与」の仕方は、処分場跡地やため池など自治体の持つ公共用地の活用のほか、民間企業による再エネ開発プロジェクトを認定して支援する、という形も考えられます。重要なのは、「自治体が関与する」というプロセスによって、地域の合意形成を得ることです。

 民間の再エネ開発事業者は促進区域内での再エネ事業計画を市町村に申請し、その計画が市町村から認定された場合、農地法や森林法、河川法、自然公園法など許認可手続きに関し、市町村を窓口にワンストップで進められるなどの特例措置が受けられます。

 すでに昨年度から自治体による計画策定やゾーニングを支援しています。これらの制度運用については、現在、有識者による検討会で議論されており、来年4月施行までに省令や運用指針、マニュアルを作成する予定です。

 ここ数年、地方自治体は条例などにより、再エネ設備の建設を抑制する区域を設定するなどの動きが広がっています。改正温対法では、再エネを積極的に最大限、開発する「促進区域」を指定する「ポジティブゾーニング」という考え方です(図1)。

図1●自治体による「ポジティブゾーニング」のイメージ
図1●自治体による「ポジティブゾーニング」のイメージ
(出所:環境省)
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「意欲的な目標」はどのように決めるイメージですか。自治体によってはすでに再エネ設備が多く建設されて地域の電力需要を超える電力を生み出しており、再エネ設備は「もう打ち止め」という雰囲気もあります。

小笠原  地域の電力需要に見合った再エネを開発するという発想だと、日本全体で見ると大都市のような人口密集地や大規模な工場などの電力需要を再エネで賄うことはできません。「意欲的な目標」では、その地域の再エネポテンシャルを最大限に生かす、という視点から定量的に設定することが基本になります。

 環境省では、再エネを経済的に開発・導入できるポテンシャルデータ(再エネ情報提供システム=REPOS)を地域ごとに公表しており、これも参考しながら目標を設定してほしいと考えています。

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