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「ポジティブゾーニング」で再エネ適地を確保、環境省・小笠原課長に聞く(page 4)

メガソーラービジネス・インタビュー

2021/09/28 05:00
金子憲治=日経BP総合研究所 クリーンテックラボ
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「脱炭素先行地域」は街区単位

国・地方脱炭素実現会議で掲げた「脱炭素先行地域」と、改正温対法の再エネ「促進区域」とは、どのような関係になりますか?

小笠原  「脱炭素先行地域」については、少なくとも全国100カ所の地域を指定し、2025年度までに脱炭素に向けて筋道をつけ、2030年には脱炭素を実現するとしています。こちらは、自治体全体というよりも、街区やエリアをイメージしており、その地域における民生部門のCO2排出をゼロにすることを目指します。

 ZEH(ネットゼロエネルギー住宅)の対象は、住宅の電気で、ガスや自動車は入りませんが、「脱炭素先行地域」では、ガスや運輸部門を含めた取り組みも想定しています。

 改正温対法とは別の枠組みですが、「脱炭素先行地域」のなかに、自治体が「再エネの促進区域」を設定することなど、合わせて進めてほしいと思っています。これらの運用に関しても、今後、詳細をつめていくつもりです。

 脱炭素先行地域は、2022年1月頃から公募を開始し、来春には第一弾の「先行地域」を選定・公表する予定です。すでに9月半ばから、先行地域の選定の考え方やスケジュール、予算要求状況などに関して自治体向けに説明を始めています。

国・地方脱炭素実現会議で掲げた、自治体に対する「継続的な資金支援の仕組み」に関連し、小泉環境大臣は、原発や水力発電所の立地自治体に交付されている「電源立地交付金」を例に、これを太陽光や風力発電の立地地域にも拡大する「再エネ立地交付金」というアイデアに言及しています。

小笠原  環境省では、来年度予算要求に「地域脱炭素移行・再エネ推進交付金」を盛り込みました。これは「脱炭素先行地域」での再エネ設備、蓄エネルギー設備などの導入を支援するものですが、脱炭素先行地域以外についても、自治体の先進的な取り組みを支援する予定です。

 加えて、継続的かつ包括的な資金支援の一環として、再エネなどの脱炭素事業に意欲的に取り組む民間企業を集中的に支援するため、財政投融資を活用した出資制度の創設についても要望しています。

 小泉大臣が引き合いに出した「電源立地交付金」は、原発や水力などの設置や運営を円滑化するため、これら電源地域の自治体に対し発電量に応じて交付されるもので、電源開発促進税を原資に電気代に含めて消費者が負担しています。今回、創設する「再エネ推進交付金」はこれとは違い、設備導入時に支援する補助金です。

 小泉大臣が電源立地交付金に言及したのは、原発と対比する文脈での発言で、長期的なエネルギー政策を見据えての問題提起の1つという意味合いがあったと感じています。

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