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「再エネを増やし安定供給まで、調整機能にも投資」、Zエナジー安岡社長、三菱UFJ銀行・西山部長に聞く(page 4)

メガソーラービジネス・インタビュー

2021/11/29 05:00
金子憲治=日経BP総研 クリーンテックラボ
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「追加性」のある再エネに人気

――日本では、2032年以降、FITで開発された再エネがどっと電力市場に出てきますが、需要家の多くはそれを待ちきれない、ということですか。

西山 もちろん、これまでにFITで開発された再エネは重要なカーボンフリー電源です。現在、多くの企業が、特定卸供給を利用したFIT再エネを購入しているのは、10年後のFIT終了に備え、グリーン電力を購入する権利を確保するという意味もあります。FIT期間は非化石証書でグリーン化しておき、FITが切れた段階でグリーン電力に移行するという計画です。

 ただ、ここにきて、あらゆる業種で企業によるカーボンニュートラル宣言が相次ぎ、サプライチェーンを含めた再エネ調達の可視化に対する国際的なプレッシャーが急速に高まるなか、国際世論の求める「追加性」を持つ再エネの調達ニーズが高まっています。

 カーボンニュートラルファンドでは、当初、10年かけて非FIT再エネを増やしつつ、蓄電池や水素システムなどにも投資し、需要家にグリーン電力を安定供給していこうと考えていましたが、さらに前倒しする必要が出てきました。

 もちろん現時点では、オフサイトCPPAやFIPなどが容易に新規開発できる事業環境ではありません。今後、さらに再エネが増えると、電力市場のボラティリティ(価格変動の度合い)はさらに高まり、市場ベースでの再エネ電力の売電事業ではリスクが高まるという面もあります。一方で、もはやカーボンニュートラルの流れが戻ることはなく、再エネのさらなる拡充は必須です。再エネ開発の停滞が許される状況ではなく、政策的に何らかの推進策が打たれるはずです。加えて、再エネが増えていくに従い、エネルギーストレージの稼働率が高まり、事業性が高まるという面もあります。とはいえ、そうした政策動向や市場環境の変化を待っていたら、いざ開発環境が整った際に機動的に投資できません。

 再エネを集めて増やし、さらに調整機能まで保持していくというステージ4のビジョンに現時点で明確な解が見通せるわけではありませんが、ストレージを含めた調整機能を検証しつつ、普及段階までもっていければ、これをファンドに入れていくというのが理想です。その段階に至れば、投資家を個人にまで広げていくことも視野に入ります。

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