特集

接続箱に「1500Vの壁」、ヒューズを使い国内メーカーが打破(page 3)

大電流の1000Vメガソーラーにも需要

2021/12/08 19:25
加藤 伸一=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
印刷用ページ

I-V測定器の価格は約3倍

 直流1500V対応の回路には、もう1つ大きな課題がある。点検である。

 太陽光発電システムの点検では、従来の電気設備向けの点検機器を使える場合と、太陽光発電専用に近い点検機器を使う場合がある。

 これまで国内において、直流1500V対応の電気設備は、鉄道くらいしかなかった。このために点検機器が限られているようだ。

 直流1000V対応と1500V対応の点検機器では、例えば、コンデンサーを共通化できない。1500V対応では、これまでにない大きなコンデンサーを使う必要がある。

 コスト増につながる上、販売数量が比較的少ないことが見込まれる。このために、点検機器メーカーはなかなか製品化できない。

 太陽光発電システムの点検を多く担っているエネテク(愛知県小牧市)によると、直流1500V対応のメガソーラーの点検で課題となったのは、I-V(電流-電圧)特性の測定だった。絶縁抵抗測定に関しては夜間に実施し、機器や手法はこれまでと変えずに、なんとか対応しているという。

 しかし、I-V特性の測定を夜間に実施するわけにはいかない。そこで、直流1500Vに対応したI-V測定器を新たに購入し、使っている(図4)。日本カーネルシステム(大阪市中央区)製で、価格は1000V対応器よりかなり高くなったという。

図4● 1500V・30Aの計測が可能
図4● 1500V・30Aの計測が可能
(出所:日本カーネルシステム)

 現在のところ、直流1500V対応の点検の回数は限られるものの、どのような発電設備でも点検できる対応力を持つという方針から、購入に踏み切った。今後、こうした検査機器の低価格化が望まれる。

■変更履歴
3ページ目、7段落目で価格・販売方式の記載で誤りがあり、修正いたしました。 [2021/12/17]
  • 記事ランキング