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太陽光発電市場――2022年の展望~「オフサイトPPA」本格化、FIPの活用、市場規模は?

需要家主導の開発が牽引役に、低圧事業用が復権も

2022/01/17 05:00
金子憲治=メガソーラービジネス編集長(日経BP総研上席研究員)
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 2022年度は、フィード・イン・プレミアム(FIP)やポジティブゾーニングなど、太陽光推進策で新たな制度がスタートする。固定価格買取制度(FIT)で急成長した国内太陽光産業にとって転機の年になる。新規開発に関しては、新制度の運用を巡る様子見もあり、さらなる成長に向けた踊り場のような状況になりそうだ。

 一方、太陽光発電設備の建設市場は、屋根上などFITを利用しない産業用の自家消費案件がオンサイト型のコーポレートPPA(企業との電力購入契約)モデルで堅調なことに加え、FITの未稼働案件の完工もあり、2020年度並みの7~8GWの規模を維持しそうだ。加えて、工期の短い低圧事業用案件が、FIT利用による営農型とFITを利用しないオフサイト型のコーポレートPPAで活発化しており、建設市場を底上げする可能性もある。

目標は倍増も足元は停滞

 買取制度の変更を含むエネルギー供給強靭化法が2022年4月に施行されることで、1MW以上のメガソーラー(大規模太陽光発電所)については、FITからFIPに移行するとともに、太陽光パネル廃棄費用の積立制度、長期未稼働案件の失効制度が始まる。

 FITの買取価格、FIPの基準価格は、50kW以上の事業用太陽光で入札対象以外はいよいよ「10円/kWh」となり、入札における上限価格も10円/kWh以下になるのは間違いない。また、営農型と自家消費余剰売電など地域活用要件を満たした10kW以上50kW未満の低圧事業用案件はFITで11円/kWh、10kW未満の住宅用はFITで17円/kWhと決まっている(図1)。

図1●FITによる買取価格の推移
図1●FITによる買取価格の推移
(出所:経産省)
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 菅政権が2021年4月に掲げた温室効果ガス削減目標「2030年度・46%削減」を受け、経済産業省は2021年6月にエネルギー基本計画を改定し、2030年度の電源構成に占める再生可能エネルギー比率の目標を従来の22~24%から、36~38%に引き上げた。これに伴い2030年度に想定する太陽光発電の容量を従来の64GWから、103.5G~117.6GWまで積み増し、約120GWにほぼ倍増させた(図2)。

図2●第6次エネルギー基本計画で掲げた2030年度の電源構成(ミックス目標)と再エネの導入想定量
図2●第6次エネルギー基本計画で掲げた2030年度の電源構成(ミックス目標)と再エネの導入想定量
(出所:経産省)
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 ただ、「2022年度からのFIP導入」「事業用太陽光の買取価格・10円/kWh」は、こうした新エネルギー基本計画(第6次エネルギー基本計画)による太陽光の導入目標・倍増が公表される前に決まっていた。当時、太陽光の旧目標(64GW)は超過達成が確実となっており、新規開発を抑制する方向に政策の舵を切っていた。

 その意味では、2022年度における太陽光発電の新規開発を巡る政策的な事業環境は、2030年度目標を倍増して中期的にもう一段の拡大方針を示しつつも、足元では、新規開発に抑制的な政策スケジュールが継続するというチグハグな状況になる。

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