特集

雨水による土削れ・侵食リスクに対応、太陽光発電所の土木評価・対策サービス(page 3)

重機なしで侵食を防げる工法や土を侵食しない植生フィルターも

2022/05/26 14:23
加藤 伸一=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
印刷用ページ

 太陽光発電所の土木系の点検とは、具体的に、どのように実施しているのか。最近では、稼働済みの太陽光発電所を他社に売却するセカンダリー市場での売却向けの評価での活用も増えてきている。

 まずドローンで空撮する(図6)。これは太陽光パネルの点検と同じ狙いで、全体を俯瞰しつつ、土木造成面での異常や、異常の兆候のある場所を探す。

クリックすると拡大した画像が開きます
図6●ドローンを使った空撮で水みちがわかる例
図6●ドローンを使った空撮で水みちがわかる例
(出所:ジオシステム)
クリックすると拡大した画像が開きます

 ドローン点検では、太陽光パネルの異常の発見を目的とする熱分布画像の空撮にも対応している。パネルの空撮では、オリックスグループのオリックス・リニューアブルエナジー・マネジメント(OREM:東京都江東区)のO&M(運用・保守)サービスをサポートしている(関連ニュース)。

 ただし、太陽光パネルの下の地面の様子は、ドローンでは空撮できない。土木系のO&Mサービスでは、空撮したアレイ間の状況から判断し、太陽光パネルの下のうち、異常を生じている可能性のある場所を、歩いて確認することになる。

 こうして把握した土木系のトラブルの状況と原因を突き止め、解決策を提案する。復旧工事も受託できる。

 例えば、「ガリ浸食」と呼ばれる、水みちによる溝ができている場合、再発を防ぐ措置を提案する(図7)。しかし、発電設備を設置済みの状況のため、アレイの前後方向に排水路を形成するような手法を採ることが難しい。そこで、アレイ前後の場所に東西方向に簡易的な排水路を追加して、相対的に小規模な工事で比較的有効な対策を実現する。

クリックすると拡大した画像が開きます
クリックすると拡大した画像が開きます
図7●太陽光発電所におけるガリ浸食の例と、新設する水路の提案の例
図7●太陽光発電所におけるガリ浸食の例と、新設する水路の提案の例
(出所:ジオシステム)
クリックすると拡大した画像が開きます

 こうした水路でも、大きく3つの手法を使い分ける。コンクリート二次製品のU字溝を使う場合、重機が入れなければ施工できない。この条件が可能な場合に限られる。同じU字溝でも、樹脂によるものもある。これなら人手で作業できる。布の袋にコンクリートを注入する手法もある。

 また、地面が陥没して穴が開いていたり、水路から水があふれて周囲が削れてコンクリートのU字溝が傾いていたり、さらに、排水路の下の土まで削れて大きく陥没していたり、水路が土砂で埋まって塞がってしまっていたりといった場合にも、これらの手法で復旧を提案する(図8)。

図8●水路から水があふれて削れていた例
図8●水路から水があふれて削れていた例
(出所:ジオシステム)
クリックすると拡大した画像が開きます
  • 記事ランキング